STP分析とは?やり方と具体例!セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング戦略

STP分析

■STP分析とは?

「STP分析」とは、マーケティング分野のフレームワークの1つで、顧客を「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」の3つのステップで分析する手法です。

ターゲット市場を細分化して、より効果的なマーケティングを行うために活用します。

STPは、次の3つのステップから構成されます。

S (Segmentation):セグメンテーション
市場を細分化し、共通の属性やニーズを持つグループに分けること

T (Targeting):ターゲティング
ターゲットとなるグループを選択すること

P (Positioning):ポジショニング
選択したターゲットグループに対して、製品やサービスの特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ること

具体的には、初めに市場を細分化することで、顧客層をより明確にし、その顧客層に応じたマーケティング施策を立案することができます。

次に、選択したターゲットグループに向けたメッセージやコンテンツを作成して、競合との差別化を図ることで、顧客にアピールします。

STP分析を実施することで、企業は、市場における顧客のニーズや行動パターンを理解し、顧客にとって魅力的な製品やサービスを提供することができます。

より効果的なマーケティング施策を立案することができ、企業の収益性や市場シェアの向上につながります。

ここから、具体例で見ていきましょう。

■コミュニケーション講師のSTP分析

コミュニケーション講師はSTP分析を行うことで、ライバルと差別化できます。

コミュニケーション講師のSTP分析の例を示します。

●セグメンテーション
受講者を、属性やニーズに基づいてグループ分けします。例えば、以下のようなグループに分けることができます。

・年齢層:若年層、中年層、高齢者
・性別:男性、女性、その他
・職業:社会人、学生、主婦
・ニーズ:コミュニケーション力の向上、スキルアップ、就職活動、恋人探し

●ターゲティング
セグメンテーションのグループの中から、最も効果的なターゲットを決定します。
例えば、以下のようなターゲットに向けて施策を立案することができます。

・社会人:ビジネスマナーに関する講座を実施し、ビジネスコミュニケーション能力の向上を図る。
・学生:コミュニケーション技術に関する講座を実施し、学習効果を高める。
・主婦:家庭内でのコミュニケーションに関する講座を実施し、家庭内の円滑なコミュニケーションをサポートする。

●ポジショニング
ターゲットに向けて、講座の特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ることが重要です。
例えば、以下のようなポジショニングが考えられます。

・短期集中型:少ない時間で効果的にスキルアップを図ることができる。
・プロの講師による指導:講師が専門家であることをアピールする。
・実践的な内容:講座を受講した後にすぐに実践できる内容を提供する。

STP分析を行うことで、コミュニケーション講座のターゲット層を細かく設定し、効果的な施策を立てることができるようになります。

■飲食店のSTP分析

飲食店において、STP分析を行うことで、より効果的なマーケティング施策を立案することができます。

飲食店のSTP分析の例です。

●セグメンテーション
飲食店に来店する顧客を、属性やニーズに基づいてグループ分けします。
例えば、以下のようなグループに分けることができます。

・職業:サラリーマン、主婦、学生、観光客
・性別:男性、女性、その他
・年齢層:20代など若年層、40代など中年層、60代以上の高齢層
・ニーズ:ヘルシー志向、グルメ志向、コスパ重視

●ターゲティング
上記のグループの中から、最も効果的なターゲットを決定します。
例えば、以下のようなターゲットに向けて施策を立案することができます。

・観光客:観光案内所やホテルと提携し、地元の食文化をアピールする。多言語対応メニューの提供も検討する。
・若年層:SNSを中心にした広告やキャンペーンを実施し、若者に向けたメニューやサービスを提供する。
・ヘルシー志向:栄養価の高い食材や低カロリーのメニューを提供する。

●ポジショニング (Positioning)
ターゲットに向けて、店舗の特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ることが重要です。
例えば、以下のようなポジショニングが考えられます。

・グルメ志向:高級食材や一風変わったメニューを提供することで、グルメ志向の顧客にアピールする。
・ヘルシー志向:健康的な食材や低カロリーのメニューを提供することで、健康志向の顧客にアピールする。
・コスパ重視:リーズナブルな価格でボリュームのあるメニューを提供することで、コスパ重視の顧客にアピールする。

飲食店がSTP分析を行うことで、ターゲット層を細かく設定し、効果的なマーケティング施策を行うことで、ライバルと差別化して繁盛店になる可能性を高めることができます。

■英会話学校のSTP分析

英会話学校において、STP分析を行うことで、より効果的なマーケティング施策を立案することができます。

英会話学校におけるSTP分析の例です。

●セグメンテーション
英会話学校に通う人々を、属性やニーズに基づいてグループ分けします。例えば、以下のようなグループに分けることができます。

・年齢層:小学生、中学生、高校生、社会人、シニアなど
・レベル:初心者、中級者、上級者向け
・目的:ビジネス目的、趣味、留学準備、英語検定対策、旅行など

●ターゲティング
セグメンテーションから、最も効果的なターゲットを決定します。
例えば、以下のようなターゲットに向けて施策を立案することができます。

・社会人:ビジネス英会話の講座を提供し、仕事での英語力向上をサポートする。
・留学準備生:英語力向上とともに、留学準備のサポートを提供する。
・趣味で英会話を学ぶ人:会話力向上のための講座を提供する。

●ポジショニング
ターゲットに向けて、英会話学校の特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ることが重要です。
例えば、以下のようなポジショニングが考えられます。

・ビジネス英会話の専門学校:ビジネス英会話に特化し、ビジネスマンの英語力向上をサポートする。
・スピーキングに特化した英会話スクール:実践的な会話力向上に重点を置いたカリキュラムを提供する。
・質の高い講師陣:優秀な講師陣によるカリキュラムを提供し、高い学習効果を実現する。

■SNSマーケティングコンサルタントのSTP分析

●セグメンテーション
ターゲット市場を細かく分割することにより、より効果的なマーケティング施策を立案します。
SNSマーケティングにおいては、例えば年齢層や性別、興味関心、地域などを考慮し、グループ分けを行います。

●ターゲティング
各セグメントに対して、最も適したターゲットを決定します。
SNSマーケティングにおいては、例えば、若年層の場合はInstagramやTikTok、中高年層の場合はFacebookなど、それぞれのプラットフォームに合わせた戦略を立てます。

●ポジショニング
セグメントごとに、製品やサービスの特徴や利点を伝え、競合との差別化を図ることが重要です。
SNSマーケティングにおいては、例えば、SNSでのイメージ戦略や広告掲載、コンテンツマーケティングなどを活用し、ターゲットとの認知度や好感度を高めます。

STP分析を実施することで、SNSマーケティングコンサルタントは、ターゲット層を細かく設定し、最も効果的なマーケティング施策を立案することができます。

ただし、SNSの特徴や利用者の特性が急速に変化するため、常に最新の情報を収集し、戦略を見直すことが必要です。

■占い師のSTP分析

●セグメンテーション
占い師の顧客は、いろいろな属性を持っています。
例えば、年齢、性別、趣味、職業などです。
STP分析では、このような属性をもとに、顧客をいくつかのグループに分類します。
占い師の場合は、例えば「恋愛に悩む女性」「仕事に不安を抱える男性」のような悩みや問題を共有するグループに分けることができます。

●ターゲティング
STP分析の次のステップは、分類したグループの中から、ターゲットとなる顧客を選び出すことです。
占い師の顧客は、何らかの悩みや問題を抱えていることが多いため、特定のニーズに応えるような占いやカウンセリングを提供することが求められます。
STP分析では、悩みや問題を共有するグループから、自分の得意な分野やサービスに合ったターゲットを選び出すことが重要です。

●ポジショニング
選ばれたターゲットに対して、自分のサービスや商品を「どのようなものか」「どういう特徴があるのか」などポジショニングを行います。
占い師の場合は、自分の得意な占い方法やスタイル、経験年数などをアピールし、顧客に自分自身の価値を伝えることが必要です。

以上、マーケティング手法の中のSTP分析について解説しました。