ロジカルシンキングの基本!演繹法と帰納法を徹底解説!

こんにちは。
「ロジカルシンキングの基本!演繹法と帰納法を徹底解説!」について書いていきたいと思います。
・演繹的に考えるように言われたけど、演繹法ってなに?
・演繹法とか帰納法とか聞いたことあるけど、どう違うの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

現在、経営コンサルタントを目指している人でも、演繹法と帰納法という言葉は学校の授業等で聞いたことがあると思います。

ただ、学校の授業で聞いていると、どんな場面で、どう使うのかとか分からないまま聞いているので、結構言葉としては覚えていても、実際どのように違うのか、どのように使うのか分からない場合が多いですよね。

そのため、コンサルティングファームでもロジカルシンキングということで、演繹法と帰納法について触れられることもありますが、あまり正しく理解していない人も多いように思います。

しかし、コンサルタントの仕事はファクツとロジックで仮説を検証していくのが基本です。
その際のロジックの組み立ての基本となるのが、演繹法と帰納法です。

今回は「ロジカルシンキングの基本!演繹法と帰納法を徹底解説!」について紹介してきたいと思います。

※仮説検証については以下の記事も是非読んでみて下さい

【コンサル業界】実践!イシューツリーを作ってみよう!

1.演繹法とは何?

演繹法は、一般的・普遍的に正しいとされている理論やルールを前提として、観察された事象を当てはめることで、個別の結論を導くための推論方法です。

いわゆる三段論法と言われるものです。

よく引き合いに出される例として、

ソクラテスは人間であり、且つ人間は死ぬ、故にソクラテスは死ぬ

が有名ですね。

図 演繹法のイメージ図

<図 演繹法のイメージ図>

つまり、観察された事象や情報等が、一般的・普遍的に知られている理論やルールに照らし合わせて、当てはまるかどうかを確認します。

そのうえで、その観察された事項が理論やルールに合っていれば、個別の結論を導くことができます。

2.帰納法とは何?

対して、その逆の流れで結論を導くのが帰納法です。

個別に観察された複数の事象から、規則性やルール等を見出そうとするものです。

例えば、

Aさんはインフルエンザに罹ったらしい
Bさんもインフルエンザに罹ったらしい
よって、今はインフルエンザがはやっている

というようなものです。

図 帰納法のイメージ図

<図 帰納法のイメージ図>

観察される複数の事象の中から共通点を見出して、規則性からルールや結論を導き出すものです。

3.演繹法と帰納法は何が違うの?

アプローチが違うだけなら、その違いをあまり意識しなくても良いのではと思われるかもしれません。

しかし、この違いをきちんと理解していないと、仕事をする上で大きなミスにつながります。

2点について詳細にご説明します。

必然的か蓋然的か?

演繹法の場合、一般的・普遍的に正しいとされている理論やルールを前提としています。

そのため、ここで用いられる一般的・普遍的に正しいとされている理論やルールが正しければ、必然的に結論は正しいと言えることです。

ただし、ここで前提とする理論やルールを間違ったものを使ったり、そもそも一般的・普遍的に正しくない場合には、当然その導かれる結論も誤ってしまいます。

一方で、帰納法は、複数の事象から規則性やルールを導くことになります。

世の中で発生している全ての事象を集めて分析しているわけでもありませんし、集められた事象の全ての要素を分析しているわけでもありません。

先ほどの図にあるように、観察されていない事象もあれば、緑の三角形のように見出すことができていない事象もあります。

つまり、導かれた結論が常に正しいという訳ではなく、常に蓋然性を含んでいるということです。

右脳か左脳か?

演繹法は、一般的・普遍的な理論をベースに考えますので、前提となる一般的・普遍的な理論を知らなければ論理の展開はできません。

前提となる一般的・普遍的な理論についての知識量・勉強量が重要であり、その理論を展開するという点で、左脳の活用が必要となります。

一方で、帰納法は、集めてきた様々な事象から、規則やルールを見出すので、どちらかというと右脳での「ひらめき」が重要となります。

しかし、発想を得るためにも、より多くの一般理論を知っていた方が、発想の際のパースペクティブが広がることは言うまでもありません。

4.コンサルタントはどちらを使うべきか?

では、コンサルタントとしてはどちらの方法を重視しなければならないでしょうか?

基本は演繹法です。

コンサルタントのロジカルシンキングの基本として、仮説思考、仮説検証という考えがあります。

図 仮説検証のイメージ図

<図 仮説検証のイメージ図>

事実を持って仮説を検証する際の論理展開の方法として、演繹法や帰納法が用いられます。

その際、大量のデータと格闘して、帰納的に結論を見出したとしても、蓋然性が残る以上様々な議論を呼ぶことになります。

例えば、

「それって、いくつかの事象のいいとこどりしているけど、こういうケースはカバーしていないよね」

とクライアントから指摘されています。

現場で起こる細かい事象は、クライアントの方がよく知っています。

よって、「あのケースは違うのでは」と検証を続けていくと、「Not Boil the Ocean」に陥ってしまい、プロジェクトは永遠に終わらなくなります。

その点で、帰納的な推論を行う場合は注意が必要です。

コンサルタントとしては、まず、考え方を考えることが重要になるのです。

5.まとめ

演繹法と帰納法は、対局の推論の方法ですが、実際に思考する場合は知らず知らずのうちに、両者を併用しています。

初めてのクライアントでの仕事の際には、どのような結論が導き出せるのか仮説を立てる場合には、まずはクライアントに関する情報をもとに、帰納的に推論して仮説を設定します。

一方、仮説があっているかどうかを検証して、結論を導く際には演繹的な推論を用いることが基本です。

普段の日常の思考の過程も演繹法と帰納法の間を行ったり来たりしていると思います。

両者の違いや特性を理解し、意識して使うことが重要です。