【コンサル業界】経営コンサルタントが作る資料の種類と作り方の概要を解説!

こんにちは。
「経営コンサルタントが作る資料の種類と作り方の概要」について書いていきたいと思います。
・コンサルタントって日々どういう資料を作っているの?
・色々な資料があるけどどうやって作っているの?

ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

経営コンサルタントの仕事をしていると、よくクライアントの方から、

  • 「きれいな資料でいつも感心させられるな~」
  • 「論理的に整理された資料ってどうやって作っているの?」
  • 「そんなにたくさんの資料は一体いつ作っているの?」

などといった、私たちコンサルタントの資料についてコメントを頂きます。

分かりやすい資料を作って、クライアントの役員などマネジメントの方に意思決定をしてもらうことは、経営コンサルタントの重要な仕事の一つです。

そして、理解しやすい資料という点において見た目がきれいな資料を作ることを心がけています。

見た目が汚く、雑な資料で説明されるよりも心を込めてきれいに作成した資料で説明されるほうが良いに決まっていますよね?

そこで「経営コンサルタントが作る資料の種類と作り方の概要」について、ご紹介していきたいと思います。

1.どんな資料を作るのか?

コンサルティングの仕事の大きな流れは、以下のような流れです。

  1. 提案内容を固めて提案書を作成する
  2. プロジェクトのキックオフを行う
  3. 課題の検証等議論のためのセッションを行う
  4. 節目節目で中間報告やステコミへの報告を行う
  5. 全体の活動結果を最終報告として報告を行う

これらの活動の中で、経営コンサルタントは様々な資料を作成します。

資料を作成すること自体が目的のように聞こえてしまいますが、それぞれの活動の目的や課題、論点を可視化して、クライアントのメンバーと検討・議論するために資料を作成します。

では、具体的にどんな資料を作成しているのか紹介していきます。

【討議用資料】

ディスカッションペーパーとも言います。

提案を具体化していくにあたり、

  • クライアントが置かれている現状
  • クライアントが抱えている課題
  • クライアントが目指す姿

など、私たちが仮説として想定しているような内容を確認し、クライアントと提案内容を検討するための資料です。

【提案書】

討議用資料で確認した内容をもとに、正式な提案書として作成します。

この提案書をもとにクライアント企業内では最終的な採用の意思決定を行い、提案書は稟議書などに添付され回覧されます。

他社とのコンペの場合には、提案書が評価の対象となります。

一般的には、

  • 経営コンサルタントして理解した現状や想定する仮説
  • プロジェクトの目的やアウトプット
  • スコープや検討のアプローチ
  • 日程計画、体制、サービスの報酬額

などを記載します。

【セッション資料】

通常、プロジェクト開始後にクライアントの検討メンバーとともに、「セッション」と呼ぶ打ち合わせを週に数回開催します。

それにあたって、毎回の検討を積み上げて、仮説を検証し、結論に結び付けていくための資料です。

【中間報告書】

プロジェクトの折り返し地点で

  • 収集した事実や検証した仮説があっているか
  • 最終報告までに検討すべき結論の仮説の方向性があっているか

など、これまで検討した内容及び今後検討を進めて行く内容についてプロジェクトの責任者に確認を行うための資料です。

【最終報告書】

プロジェクトで検討した内容を報告書としてまとめた資料です。

構想策定であれば、検討した構想の内容自体と合わせて、「次のステップとして何を行うべきか」といった実行計画などを記載します。

次のステップの活動に向け、プロジェクトの責任者に承認をもらうための資料です。

承認されれば、この報告書の内容がコンサルティングの次フェーズの提案書の核となります。

2.どうやって資料を作っているの?

よくコンサルティングの業界では、「エクセラー」、「パワーポインター」という言葉を使います。

EXCELやPowerPointを使いこなし、ほとんどの作業をショートカットで行い、超人的な速さで資料を作成する人のことを指して使います。

そのスキルの素晴らしさに対して純粋に使用することもありますが、「作業は早いけど、経営コンサルタントとしては中身がない」ということを表現する際に使われることが多いです。

そのようなことに陥らないために、PowerPointを起動して作業に着手する前に資料の位置づけや目的を明確にし、論理構成をきちんと構造化することが重要です。

先に紹介したように、一度プロジェクトが始まると様々な資料をコンサルタントは作成しします。

しかし、どのような資料を作成する場合でも、資料の位置づけや目的を明確にし、論理構成をきちんと構造化することが重要です。

では、コンサルタントはどのように資料を作成しているのでしょうか。

イシューを設定する

イシューというとわかりにくい人もいるかもしれませんが、課題や論点です。

これから作ろうとする資料は何について書くのかという論点を明確にすることです。

この論点が明確でないと「今日の打ち合わせって何に議論するのが目的だったけ?」等と言われてしまうことも少なくありません。

特に、時間が無いからといって、ありものの資料を流用してごまかそうとすると、クライアントが想定・期待していた論点と異なる資料になってしまいます。

結果として、何を検討するための打ち合わせか分からなくなるという事態が起こります。

はじめに課題や論点を設定すると言うと、当たり前に聞こえるかもしれませんが、重要な意味を持っています。

ロジカルライティングでメッセージの構成を考える

論点が設定できたら、それが資料の伝えたいメッセージのメインメッセージになります。

このメインメッセージをサブメッセージに分解して結論に導いていく手法があります。

個々の結論に対して、結論に至る理由とそれを裏付ける事実を整理していきます。

それをロジカルライティングと言っています。

資料の目的や位置づけ、読み手のことを意識しながら、メッセージを構造化していくのです。

ストーリーボードを作る

メッセージの構造化ができたら、そのメッセージをどのよう順番でPowerPointの資料として構成していくのかを検討します。

ここで登場するのが、ストーリーボードです。

ストーリーボードというと分かりにくいですが、いわゆる絵コンテです。

映画監督とかが書いた絵コンテとか見たことあるかもしれませんが、まさしくあのように絵とメッセージで資料全体の構成や流れを検討していくものです。

ヘッドラインを考える

このストーリーボードを考える際に、最も重要なことがヘッドラインを考えることです。

コンサルティングファームにより呼び方は多少異なるようですが、ヘッドラインとはPowerPointの各ページで伝えたい最も重要なメッセージを記載した文章です。

コンサルタントの作るPowerPointの上部に2~3行程度で書かれている文章を指します。

1ページ、1メッセージとかは聞いたことあると思います。

1つのページには、1つの伝えたい内容を書くということです。

同様に、このヘッドラインのメッセージだけをストリーボードの順番に読んでいくと、一連のストリートして完結していることが重要です。

PowerPointで資料を作る

ここでやっとPowerPointが登場します。

作業効率を上げるために、以前使用した資料を再利用したりしますが、基本はストーリーボードで検討した内容に仕上げていきます。

ちょっと面倒だなと思われたかもしれませんね。

※今回は簡単に概要をご紹介しましたが、もう少し詳しく知りたい人は以下の記事も是非読んでみて下さい

3.まとめ

今回はコンサルタントが日々の業務の中で作成する資料の種類と作り方の概要を説明しました。

クライアントのプロジェクトの責任者はコンサルティングの活動の結果を踏まえて、次の投資への意思決定をします。

そのため、コンサルタントが作る報告書は想像以上に重い意味があります。

それだけに報告書を作るためのトレーニングを欠かすことはできません。

かくいう私もまだまだ駆け出しコンサルなので「何をどうメッセージするか、メッセージをどう構成し表現すればよいかについて悩むことがたくさんあります。

もう少し勉強してみたいという方は、入門用として以下の本から読んでみることをお勧めします。

入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法

もう少し本格的に内容を理解したい人は、こちらの本がお勧めです。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則