コンプライアンス遵守!コンプラリスクを低減させる厳選3理論を徹底解説!

こんにちは。
「コンプライアンス遵守!コンプラリスクを低減させる厳選3理論を徹底解説!」について書いていきたいと思います。
・コンプライアンス順守って言われるけど違反しないためには何に気を付ければ良いの?
・ヒヤリハットに気を付けろって言われたけど、ヒヤリハットってなに?

ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

最近はほとんどの企業で「コンプライアンスを遵守しなさい!」とか「ビジネスインテグリティを担保しなさい!」とか研修で指導されています。

せっかく一生懸命に就活して就職した企業や転職先でも、コンプライアンスやインテグリティに違反すると処罰の対象になります。

違反の程度によっては、会社を辞めざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。

重度のコンプライアンス違反が発生して、致命的なトラブルや事故になるまでには、その予兆があります。

日本を代表するような食料品の企業が返品された商品を再利用して大規模な食中毒を起こしたり、グループの会社で食肉の偽装を行ったりといったことが繰り返され、事件になりました。

日常の作業の中で、商品を生産したり、出荷したり作業している社員の人達も、なんかおかしいかなと思いつつも、「上からの指示だから」とか「前からやっていることだから問題ない」とか自分達のやっていることを知らず知らずに正当化してしまっていたのではないでしょうか。

結果として、その問題の大きさに気づいたときには取り返しのつかないことになっていました。

そんなことにならないように、社員の一人ひとりが「おや?」と思ったことを放置せず、リスクを顕在化させないようにすることが必要です。

今回は「コンプライアンス遵守!コンプラリスクを低減させる厳選3理論を徹底解説!」について紹介してきたいと思います。

1.リスクを顕在化させないために気を付けるべきこと

リスクとは何でしょうか?

インターネットの辞書で調べてみると、「危険」や「危険の生じる可能性」、「結果を予測できる度合い」等と出てきます。

皆さんも、「地震のリスク」、「投資リスク」とか、リスクは危険や危ないことというイメージをもっているのではないでしょうか。

ただし、もともとのリスクが意味するところは先の定義でいくと「結果を予測できる度合い」になります。

つまりリスクとは不確実性を表す言葉です。

しかし、今回はコンプライアンスの観点から、コンプライアンスに対するリスク、つまり企業の経営に危険をもたらす恐れがある不確実性という観点でリスクを見てい行きたいと思います。

大きな問題が顕在化する裏側には常に小さいリスクが隠れていると言われています。

リスクは図にあるように、「リスクの発生する確率」と「リスクの与えるインパクトの大きさ」で評価します。

リスクの与えるインパクトが大きいことについては、誰でもこういうことを続けていれば大事故につながるなということについては、神経をとがらせますよね。

一方で、小さいリスクであれば、「ちょっとくらいならいいか」と見逃してしまいます。

しかし、こういった小さいリスクの積み重ねが、大きなリスクの顕在化につながるのです。

例えば、どちらもやってはいけないことですが、飲酒運転は絶対にしないという人も、横断歩道で人が待っていても一時停止しないなんて人も多いですよね。

飲酒運転をすれば発生の確率もインパクトも甚大です。

しかし、一時停止を無視していても、時に子供が飛び出したりして大きな事故につながりかねません。

企業のコンプライアンスも同様、日々の小さいリスクの見逃しがコンプライアンス違反の繰り替えしにつながっています。

2.コンプラリスクを低減させる理論3選

では、以下のコンプライアンスリスクの低減に向けた3つの理論を紹介していきたいと思います。

  • スイスチーズモデル
  • ハインリッヒの法則
  • 割れ窓理論

それぞれについてみていきましょう。

スイスチーズモデル

スイスチーズモデルは、イギリスのマンチェスター大学のジェームズ・リーズン先生が提唱したリスクマネジメントの考え方です。

「スイスチーズとリスクってどういう関係なの?」って思われますよね?

<図 スイスチームモデル イメージ図>
<図 スイスチームモデル イメージ図>

スイスチーズを板状にスライスしてみると、色々なところにランダムに穴が開きますよね。

この板状にスライスしたチーズがリスクへの対応策になります。

つまり、リスクが顕在化する場合に、板状のスイスチーズ、すなわちリスクの対応策を幾重にも並べることで、全て対応策(スイスチーズ)の穴を全て一気通貫して顕在化する確率を下げようという考え方です。

リーズン先生は、スリーマイル島原子力発電所事故等多くの大事故を分析し、構造、監視、前提条件、具体的な行動のうち少なくとも1つに問題があると考えたのです。

これらへの対応策として、一つで全てをカバーできる完璧な対応策はなく、存在するであろう対応策の脆弱な部分を補完するために、多層的な対応策が必要だということを主張しています。

例えば、過去の失敗の事例を織り込んでマニュアルを見直す、そのマニュアルをもとに担当者に研修を行う、業務を開始する前に体調を管理する、実施内容をダブルチェックする、等いろいろな対応を積み重ねることで、組織的にシステム的にリスクを低減するのです。

ハインリッヒの法則

よく言われる「ヒヤリ・ハット」です。

重大な事故には直接つながらなかったけど、一歩手前で気が付かなれば大問題になっていたようなケースです。

重大な事故が発生する前には、多くのヒヤリ・ハットが潜んでいるおそれがあります。

<図 ハインリッヒの法則 イメージ図>

1件の重大な事故の裏には、29件の軽微な事故やトラブルが存在し、その背景には300件ものちょっとしたミスがあるという考え方です。

アメリカの損害保険会社に勤務していたハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんが1929年11月19日に出版された論文で提唱されたのが最初です。

経営コンサルティングの現場では、知的資産の再利用を行います。

資料は汎用化するのですが、ごく稀に元のクライアント名が資料の片隅に残っていたりすることがあります。

水際で食い止められればヒヤリ・ハットですが、提案書や報告書に紛れ込んでしまってクライアントに見つかれば大事故です。

このような、ヒヤリ・ハットを水際で問題を解決できることも重要です。

問題にはならなかったヒヤリ・ハットも社内で蓄積・公開することで、日常の行動の改善を進めている会社も多くあります。

割れ窓理論

クルマや店舗のシャッターへのいたずら書きや車上荒らし等犯罪はあちこちで起こっています。

このような車上荒らしで割れた窓や電車や店舗へのいたずら書き等犯罪の痕跡を一つ一つ丁寧に消していくことが、大きな犯罪の温床を消し去るという考えです。

これが割れ窓理論です。


<図 割れ窓理論 イメージ図>

有名な話はニューヨーク市での取り組みです。

落書きを消したり、割れた窓の車を移動したり等一つ一つ小さい犯罪の痕跡を消し続けて、軽微な犯罪も取り締まることで、ニューヨーク市全体の安全を獲得できました。

かつての犯罪が横行したニューヨークと違う姿に目を疑う人は少なくないようです。

会社で日々の業務に追われる中で、「おや?」って思うことにアンテナを張ることも重要です。

3.まとめ

今回は「コンプラリスクを低減させる厳選3理論を徹底解説!」ということで紹介しました。

日々、業務を処理する中で、もしかすると疑問を持たれたこと等あるのではないかと思います。

日頃「なんか内容は問題ありそうだけど、上司の指示だから支払処理しちゃった…。まあ承認するの上司だし良いか。」なって事あるのではないでしょうか。

上司が指示しても、実際に作業をしているのはあなたです。

あなたは会社を守ったと思っても、会社はあなたを守ってはくれません。

コンプライアンス違反に巻き込まれないためには、一つ一つの行動が正しいかどうか一人の人間として確認できる羅針盤を常に持つようにすることが重要だと思います。

失敗からの学びもリスク管理には重要です。

「失敗の科学」は参考になるのでぜひ読んでみてください。

割れ窓理論は是非、勉強してみて下さい。

「割れ窓理論による犯罪防止―コミュニティの安全をどう確保するか」