フローチャートの書き方と作成方法、図形例!論理的思考力を鍛える!

こんにちは。
「フローチャートで論理的思考力(ロジカルシンキング)を鍛える方法」についてお伝えいます。
・論理的思考力とは?
・業務ヒアリング結果ってどう整理すれば良いの?
・条件の場合分けって何に気を付ければ良いの?
を知りたい人は必見です!

コンサルタントの仕事の中には、SAP等のようなERP(Enterprise Resource Planning)パッケージソフトウエアを入れて業務プロセス改革をするようなプロジェクトや、RPA(Robotic Process Automation)ツールによる業務の自動化を行うようなプロジェクトがあります。

コンサルタントがプログラミングを行うことはほとんどありませんが、ERPパッケージやRPAの導入のプロジェクトにおいて、クライアントの業務をヒアリングし、無駄を省いた業務を検討して、標準化し、業務としての要件を定義するという仕事があります。

しかし、ここで整理した業務要件がシステムの要件となり、実際のERP等の処理に適用されます。

そのため、業務要件をきちんと聞くということは極めて重要です。

業務要件をきちんと聞くには、その前提として業務の手順・流れを論理的に整理することができるスキルが必要です。

そこで有効となるのが、フローチャートの作成スキルです。

今回は「フローチャートの書き方と作成方法、図形例」をお伝えします。

フローチャートを作成していくと、論理的思考力(ロジカルシンキング)も鍛えることができますよ!

※なお、RPAについて詳しく知りたい方はRPAシリーズの記事も是非読んで下さい

【RPA初心者向け】RPAについての基本を抑えよう!

1.なぜフローチャートの作成スキルが必要か?

これからコンサルタントを目指す人は、
「プログラマーでもないのに、フローチャートが書けないといけないの?」
と思われている人は多いのではないでしょうか。

実際にフローチャート自体を書く機会はそれほど多くはありません。

しかし、クライアントからヒアリングして、きちんとしたフローチャートに落とせるくらいのスキルが無ければ、良いコンサルティングを行うことはできません。

ヒアリングした内容をきちんと理解し、可視化し、問題点や改善点を論理的に整理するスキルとして必要になります。

では、そのスキルについて詳細に説明します。

ヒアリング内容を論理的に整理できる

クライアント先でヒアリングをすると、皆丁寧に説明してくれます。

しかし、それは日頃実施している作業について説明してくれますが、コンサルタントが聞きたい順番で話してはくれません。

また、他部門との関係や処理のタイミング等周辺の条件や状況まで考慮して、時系列に網羅的に説明してもくれません。

あくまで業務を実施する人の視点で説明してくれます。

そのため、コンサルタント自身が業務を理解していないこともあり、あまりスキルのない人がヒアリングしたままをフローで可視化すると以下のようになってしまいます。

図 論理的に整理されていない業務の流れ イメージ図

<図 論理的に整理されていない業務の流れ イメージ図>

これらをお聞きした上で、論理的な手順として整理していくことが必要です。

  • Xの資料を受領したら、処理を開始する
  • Aの処理の後はBの処理を行う
  • Yの条件の時はCの処理を行う
  • Dの処理が終わったらZのシステムに登録し、承認をもらう
  • 申請が承認されたら、一連の処理は終了する

といった具合に、論理的かつ、時系列的に業務を整理できるスキルが必要となります。

網羅的にケース分けをしてきちんと業務を整理できる

また、日頃の業務の内容をそのまま要件として落とし込んでしまうと、ケース分けが漏れてしまうことが往々にしてあります。

例えば、

  • 伝票の区分が“1”の時はAの処理を実施する
  • 伝票の区分が“2”の時はBの処理を実施する
  • 伝票の区分が“3”の時はCの処理を実施する

フローチャートの理解が無いコンサルタントの人が整理すると、条件は以下の3ですと報告します。

一見正しいように思います。

しかし、通常の業務では伝票の区分が“1”~“3”しか発生しないのですが、実際には1年に1度だけ“4”の伝票が発生しますということもあります。

もしくは、伝票の区分が“1”~“3”以外が発生する場合は、システムが以上のため処理を中断しなければならないということもあります。

全てのケースをMECEに論理的に洗い出して、業務として可視化する上でも、重要なスキルと言えます。

2.フローチャートは3つの「型」で表現できる

では、先に紹介したような複雑なフローを書かないために何を覚えればよいでしょうか。

フローチャートを書くには、次の3つの処理の「型」を覚えておけばよいのです。

業務のヒアリングをする時にも常に、この3つの「型」を意識すると、時系列での流れやケース分け等を整理していくことができるようになります。

順次処理

論理的に上から下に順番に処理することを表しています。

業務のヒアリングをする際には、時系列な順序を意識して、手順が論理的にも時系列にも矛盾が無いかを確認しながらヒアリングします。

図 順次処理 イメージ図

<図 順次処理 イメージ図>

分岐処理

分岐処理とは、設定した条件によって処理内容が分かれる処理を指します。

ここで重要なことは、きちんと条件を全て聞き出すことです。

業務マニュアル等がある場合でも、条件が記載されているような場合もありますし、主要な条件しか記載されていない場合もあります。

また、複合的な条件は「AND条件」なのか「OR条件」なのか、条件の判断に順番の考慮が必要なのか等も確認していき整理します。

きちんと条件はどういうものがあるのかをMECEに聞き出し、論理的に整理することが重要です。

指定された条件でない条件が発生する場合はどうするかということもきちんと確認します。

図中の「処理4」を行うような場合はどういう条件かということです。

図 分岐処理 イメージ図

<図 分岐処理 イメージ図>

繰り返し処理

繰り返し処理は、指定の条件を満たしている間、または条件を満たすまで処理を繰り返すものです。

細かいロジックの話になりますが、繰り返し処理の判断を最初にするか後にするかで処理のパターンが変わります。

下図のように繰り返し処理の条件判断の後に「処理B」を行う場合が1つ目です。

条件を満たさない場合は、反復処理を行わず「処理C」を行います。

例えば、最初に繰り返し処理の条件に一致しなければ処理は1回も行いません。

図 繰り返し処理 前判定 イメージ図

<図 繰り返し処理 前判定 イメージ図>

一方で、下図のように、「処理A」「処理B」を必ず1回行ってから、繰り返し処理の条件判断を行うような場合です。

繰り返し処理の条件判断を満たしている間は、「処理B」が繰り返し行われます。

最低1回は必ず「処理B」が行われる点で前判定と異なります。

図 繰り返し処理 後判定 イメージ図

<図 繰り返し処理 後判定 イメージ図>

分岐処理も同様ですが、どのタイミングでどの条件を判断して、その結果どのような処理をするかをきちんと把握し、整理することがとても重要です。

※業務プロセスの設計について知りたい方は以下の記事を是非読んで下さい

【経営コンサルの必須科目!】業務プロセスの設計について徹底解説!

3.まとめ

コンサルティングの仕事では、先に紹介したように、フローチャートを詳細に書くということはあまりありませんが、フローチャートを書くことができる基礎的なスキルは必要です。

クライアントにヒアリングした内容を時系列に沿って論理的に整理したり、ケース分けをMECEにヒアリングして構造化して整理したりするために重要です。

こういうことの一つ一つがきちんとできないと、EPRを導入しても、RPAでロボットを構築しても業務の自動化や効率化にはつながりません。

高い報酬と引き換えに「動かないシステム」ができるだけです。

そんなことにならないよう、是非、フローチャートの基礎も学んでみて下さい。