「空・雨・傘」について書いていきたいと思います。
企業に勤めると、社員の基本動作として教えられるのが「報・連・相(ほうれんそう)」ですね。
報告や連絡をする際に、まずは「報・連・相」が重要だからと、思ったことを報告してしまうと、
「何を言いたいのか分からないから、もう少し整理してから話してもらかな」
等と言われてしまうことがあると思います。
コンサルティングファームだと、「So what?だよね」と言われてしまいます。
ちょっとした報告をする際にも、資料を作成する際にも、常に自分の「Thought Process(思考過程)」を意識しておくことが重要です。
その基本となるフレームワークが「空・雨・傘」です。
今回は「空・雨・傘」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.「空・雨・傘」って何?
「空・雨・傘」は、いろいろな本やネットで紹介されているフレームワークの一つですね。
これは、マッキンゼーの日本支社で開発されたフレームワークと言われています。
非常にシンプルなフレームワークですが、先に紹介したように日々のコミュニケーションを行う際や課題の解決方法を考えたりする際に活用できるフレームワークです。
では、「空・雨・傘」とは何でしょうか。
- 空→事実の把握
- 雨→事実に基づく解釈・分析
- 傘→解釈・分析に基づくアクション
を指しています。
ちょっとこれだけだと、なぜ「空・雨・傘」と思いますよね。
- 空→空を見てみると段々と雲が多くなってきている
- 雨→雲が多くなってきているので、雨が降るかもしれない
- 傘→雨が降りそうだから、傘を持っていこう
ということから「空・雨・傘」と言っています。
<図 「空・雨・傘」のイメージ図>
2. 「空・雨・傘」の勘所
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モノゴトを報告したりする際に、欠かせない要素が「空・雨・傘」です。
3つのポイントについてご説明します。
「空」だけでは意味がない
時に企業等では、「君の意見は聞いていない、事実をきちんと報告しろ」などと言われることがあると聞いたりします。
しかし、コンサルティングファームでは、事実に基づきどう考え、今後どうすべきかという「空・雨・傘」をセットで考えることが重要になります。
若いコンサルタントの人が上司から調査を依頼されたりすると、どうしてもネットで検索した内容をパワーポイントに張り付けて「終わりました!」という傾向があります。
「空」だけ集めて報告したのでは、結局上司は自分で一から全てを読まねばなりません。
「空」と「雨」をきちんと分ける
また、起こりがちなこととして、事実としての「空」と解釈・分析としての「雨」が混ざってしまうことです。
特に、「報・連・相」できちんと話したいことを整理していないと、「空」と「雨」を混同して話しまうこととなりがちです。
事実と自分の考えや意見をきちんと整理することも重要です。
「空」からいきなり「傘」を話してしまう
事実だけを話してしまい、その解釈や論理の展開なしに、いきなり「傘を持っていこう」というアクションに飛んでしまうこともありがちです。
自分の考えや意見を論理的に整理できてない時に起こりがちです。
いきなり「傘を持っていこう」と言われても、そこに論理的な解釈や裏付けが無ければ、「他にも対応の仕方があるんじゃないの」と言われてしまいます。
3. 「空・雨・傘」に足りないものは?
このように、「空・雨・傘」は非常にシンプルですが、様々なシーンで活用できるフレームワークです。
しかし、コンサルタントのThought Processとしては、一つ付け加えると良い要素があります。
それは、仮説です。
「空・雨・傘」の単語にうまく合う言葉が見つかると良いのですが。
なぜ、仮説が必要なのでしょうか。
「空」を見るには理由があります。
「今日は外出だが、雨が降りそうだから傘を持っていこう」という仮説に対して、「空」「雨」の結果として、「今日は傘を持っていこう」という結論になります。
場合によっては、「傘はいらない」「雨がひどすぎるから出かけない」となるかもしれません。
報告のフレームワークとしては、「空・雨・傘」で良いと思いますが、コンサルタントのThought Processとしては常に仮説を検討する癖をつけると良いと思います。
4.まとめ
「空・雨・傘」は非常にシンプルなので、はじめに知った時は「結構、当たり前のことでは?」と思っておりました。
しかし、実際にコンサルタントとして働いてみると、この当たり前のことができていないために上司から「So What?だね」と言われてしまいました。
シンプルで分かりやすいが上に、奥の深いフレームワークだと思っています。
覚えやすいフレームワークですので、是非明日から活用してみて下さい。