【RACI】とは?基礎知識とフレームワークの使い方

こんにちは。
「RACI」について書いていきたいと思います。
・今度チームリーダーを任せれたんだけど、何から決めていけば良いの?
・最近チームの中で報告し漏れとか多いけど、何に気を付ければ良いの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

会社で社員として仕事をしていても、アルバイトで働いていても、常に他の人とチームで働くことが多いですよね。

学生の人であれば、部活やサークルも同じで、複数の人とチームを組んで活動します。

他の人とチームを組んで仕事をしていると、

  • さっきの話、今初めて聞くんだけど、なんで教えてくれないのかな?
  • えっ!このレポート、まだ部長に報告してないの?これって私がやるんだっけ?
  • この調査の仕方がわからないけど、誰に相談すればいいんだろう?

なんてことが時々起こります。

会社の組織でも、プロジェクトのチームでも、学生の部活でも、それぞれの人の役割が曖昧だと、本来しなければならないことに手が付けられずに放置されてしまうことがありますよね。

ちょっとしたポテンヒットも見逃していると大きなトラブルに発展しかねません。

当たり前のことですが、それぞれの役割を決めることが重要です。

しかし、リーダーは決めるけど、あまり厳密にその他の役割を決めていないことも多いと思います。

そこで、こういったポテンヒットを防ぎ、円滑にチームを運営するために最低限決めておかなければならないことが「RACI」です。

今回は、「RACI」について紹介していきたいと思います。

1.RACIとは?

RACIとは、以下の4つの英語のアルファベットの頭字語です。

  • Responsible: 責任がある
  • Accountable:説明する義務がある
  • Consulted:助言を求められる
  • Informed:情報を与えられる

会社の組織やプロジェクトのチームなどで誰がどのようなタスクに対して、どういう役割・責任を負っているのかということを明確にするためのフレームワークです。

では、このRACIの4つの役割について詳しく紹介したいと思います。

Responsible:実行責任者

会社の業務やプロジェクトを遂行する際に責任を持つ人です。

業務やプロジェクトのタスクを遂行する際に、誰かがいつまでに、何をするなど、指示を出したりしないと、仕事が進まないですよね。

そのようなことが無いように、業務やプロジェクトがが円滑に進むようにその遂行に責任持つ人を決める必要があります。

Accountable:説明責任者

組織やプロジェクトの内外の関係者に対して、業務の内容や進捗状況、今後の計画等を適宜説明することに責任を持つ人です。

説明責任者というのは、あまり日本には馴染まないことかもしれません。

大抵の場合、実行責任者と兼務していることが多いと思います。

なんでも実行責任者に押し付けるのではなく、役割分担することで、より説明の透明性が担保されるというメリットがあります。

Consulted:相談先

業務の遂行を支援してもらう役割の人で、業務を遂行する上で、何か困ったことが発生した時の相談先となる人です。

業務やプロジェクトに関して有益な役立つ情報を持つ人からタイムリーにアドバイスをもらうためには必要な役割です。

非公式には「根回しすべき人」もこの相談先になるかと思います。

Informed:報告先

業務の進捗状況や今後の計画等について定期・不定期に報告する人です。

相談先(Consulted)からは、情報の提供に対してアドバイスをもらうというGive & Takeの関係ですが、Informedの報告先は報告や情報共有が基本です。

直接プロジェクトには関係ないからと報告していないと「知らないところで何やっているの?そんなの聞いていないよ。」という人が時々います。

円滑に業務を遂行するために、報告先も明確にしておくことが重要です。
2.RACIの使い方

図 プロジェクト体制図

<図 プロジェクト体制図>

よくある組織図やプロジェクトの体制図です。

結構、これだけで済ませてしまっている組織やプロジェクトは少なくありません。

このような図からはリーダーがどの人かは分かるので、「R」が誰かは分かりますが、「A」「C」「I」の役割を担う人が誰かは分かりません。

そこでRACIが登場するのです。

では、RACIの使い方のステップをみていきましょう。

①業務を洗い出す

プロジェクト単位などで一括りにしてRACIを決めてしまう場合もあります。

しかし、プロジェクトの業務の中には重要なことやルーチンの業務など様々です。

業務を一通り洗い出して一覧化します。

②担当者を洗い出す

次に関係する担当者を洗い出します。

プロジェクトチームの人や同じ組織の人はすぐに一覧として名前を挙げることはできますね。

忘れずに検討したいのが「C」の相談先や「I」の報告先です。

「C」の相談先や「I」の報告先で重要な役割を果たしてくれる人は大抵は組織やプロジェクトの外にいることが多いです。

そのため、どうしても重要な人を忘れがちになってしまいます。

コンサルティングの仕事をしていると、重要な報告会の前にクライアントの責任者が急に「○○専務には相談するの忘れてた!」と言われて、急遽ご説明に上がるなんてことが時々あります。

こんなことが無いよう、予めいろいろな可能性をコンサルタントとしては検討して、クライアントにアドバイスできることが重要です。

③RACIを割り振る

ここで業務の一覧と関係者の一覧ができましたね。

図 RACI役割アサイン表

<図 RACI役割アサイン表>

以下のような表を作成して、それぞれの業務に対してだれがRACIの役割を負うのか、「R」「A」「C」「I」をマスに埋めていきます。

気を付けたいのは、先にも紹介しましたが、「R」と「A」を分けることです。

どうしても「責任者の人が説明しておけばいいじゃないか」ということで、責任者の人に説明責任を負わせてしまうことが多いです。

しかし、双方の役割を相互牽制するためにも、私は「R」と「A」を違う人に分けることをお勧めします。

よく、プロジェクトのリーダーの人が「俺が説明しておくから気にしなくてもいいよ!」なんて、請け負ってくれることもあります。

一方で、相互牽制が働いていないと、リーダーに都合が良い説明だけをしていることは少なくありません。

そういったことを避けるためにも、「R」と「A」を分けてアサインすることをお勧めします。

あとは、このRACIの役割分担表をもとに、業務やプロジェクトを遂行します。

3.まとめ

RACIを使うこと自体はそんなに難しくはありません。

ただ、こういったことを意識していないと、「きっと誰かがやってくれている」と思って、ポテンヒットを許してしまうことになります。

普段の仕事をする上で形式的過ぎるかなと思われるかもしれませんが、自分自身の役割を意識して働くことで働き方も少しずつ変わっていくと思います。

是非、チャレンジしてください。

リーダーを任されてチームメンバーの使い方あパフォーマンスで悩んでいられる人は是非読んでみてください。

「できるリーダーは、「これ」しかやらない メンバーが自ら動き出す「任せ方」のコツ」