PDCAサイクルとOODAループとは?意味と使い方、改善法を解説!

こんにちは。
「PDCAとOODA」について書いていきたいと思います。
・PDCAサイクルが回せていなって言われたけど、何に注意すれば良いの?
・最近OODAも重要って言われたけど、PDCAと何が違うの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!

会社に入ると仕事の基本と言って「PDCAサイクル」をきちんとまわすことを教えられると思います。

ただ、現場では本当に「PDCAサイクル」を回すことができているのでしょうか。

よくあるケースは、Pの計画策定から中々先に進まないケースです。

会社の中で新しい企画やプロジェクトを始めるのは大変なことです。

慎重のうえに慎重を期して石橋を叩きながら先に進めますが、石橋を叩きすぎて壊れてしまい、先に進まないなんてことをよく聞きます。

しかし、一度案件が承認されると、プロジェクトを実行する際には慎重さに欠けるところもあるのかなと感じられる時があります。

日本企業では「PDCAサイクル」は重要と言いつつも、比較的計画(P)に重点が置かれ、実行(D)や継続した改善(C/A)には重点が置かれていないと言われていることもあります。

また、最近ではより環境変化が激しい中では「OODAループ」の方が有効だと言われていたりもします。

そこで今回は「PDCAとOODA」について紹介してきたいと思います。

1.PDCAとは?

PDCAは今さらご紹介するまでもないと思いますが、計画をもとに実行し、状況を評価し見直すことで業務等を継続的に改善し続けるために有効ということで、仕事の基本として研修で取り上げられたり、仕事の現場で使われています。

ご存知のようにPDCAは以下の4つの英単語の頭字語になります。

  • P:PLAN
    事業やプロジェクト等の実行計画を立案します。
    計画の中には、新しい業務のあり方や事業のモデルを記載した基本構想のようなものも含まれます。
  • D:DO
    実行計画に基づいて、事業の準備を進めたりプロジェクトを推進します。
  • C:CHECK
    実行計画に則り計画通りに実施されているかをチェックします。
    例えば、進行状況をもとにQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)等をチェックし、問題点が無いかを評価します。
  • A:ACTION
    CHECKで発見された問題に対して、改善策を立案し、改善のアクションを行います。

このPDCAの考え方は、品質管理で有名なエドワーズ・デミング先生が提唱したと言われています。

PDCA自体の語呂は日本人の方が考えられたようです。(ACTIONだけ、名詞というのがちょっと気になっていました)

図 PDCAサイクル

企業の中では、ルーティンで実施する契約事務やモノづくりの生産等予め業務プロセスが決まっている業務の継続的な改善に適用します。

また、プロジェクト等予め達成すべき目標や納期、コスト等が決まっていて、その実現のための計画が立案されているような業務に向いた考え方だと思います。

しかし、この仕事の基本のPDCAも中々うまくサイクルが回らないことも多いようです。

2.なぜPDCAサイクルは上手くまわらないの?

PDCAサイクルの重要性は言うまでもないのですが、その実行となると疎かになることが多く見受けられます。

では、なぜPDCAサイクルが上手まわらないのか3つについてみていきましょう。

計画を作って満足していないか

新しい事業やプロジェクトを進める上で、実行計画を作ることは重要です。

しかし、冒頭に紹介したように、社内で新しい案件の稟議を通したりすることは非常に大変です。

そのため、プロジェクトを実際に始めるころには、計画を作っただけで満足してしまい、実行にすぐに着手されていないようなことを時々見かけます。

また、構想自体の内容は良い内容でも、その実現をしたことない人が実行計画を作ったがために、実際に着手するためには改めて計画の見直しが必要となり、着手までに段々と忘れ去れてしまうなんてこともあります。

PDCAサイクルをまわす前に、絵に描いた餅ではなく、実行できる計画に落とし込むことが重要です。

現場に無茶ぶりしていないか

一旦計画ができても「後は任せた」というように、事業やプロジェクトの責任を持つ人が具体的なリードや調整に関わらない場合は少なくありません。

しかし、重要で大きなプロジェクトになれば、多くの部門から多数のメンバーが参加します。

メンバーをアサインすることも大変ですし、現場の仕事をしながらプロジェクトを行うことも大変なことです。

計画が経営会議が承認されてからが、事業やプロジェクトの責任を持つ人が力を発揮するところです。

自らが組織横断でプロジェクトをリードし、組織間の調整を行うことが重要になります。

プロジェクトのガバナンスがきちんとしていないと、計画通りにはプロジェクトは進みません。

やりっ放しにしていないか

事業やプロジェクトの責任がはっきりしていないと、とりあえず「作業をこなす」という状況になりがちです。

プロジェクトの進捗を管理して、QCDに問題が無いかを定期的に確認することは重要ですが、おざなりになっていることは少なくありません。

コンサルティングのプロジェクトでご一緒させていただく時は、毎週進捗を確認し、課題を課題管理表で管理し、課題への対応状況についてフォローをします。

CHECK/ACTIONを定期的に実施することがプロジェクトを円滑に進める上ではとても重要な要素になります。

3.OODAの方が優れているの?

最近では、このPDCAサイクルに対して、OODAループという考え方も浸透してきています。

  • O:OBSERVE
    状況を判断するために、まず客観的な外部情報を収集して観察します。
  • O:ORIENT
    状況への対応方法を考えます。
    OBSERVEで得られた生の客観的な情報をもとに、どのような形での対応が可能か、OBSERVEで得られた情報に付加価値を加えて、状況を整理します。
  • D:DECIDE
    ORIENTで得られた情報をもとに、具体的にとるべき施策や手段を選択し、計画に落とし込み、意思決定を行います。
  • A:ACT
    DECIDEで決定された計画を実際のアクションとして活動を起こします。

その結果を改めてOBSERVEし、次のOODAループにつなげます。

<図 OODAサイクル>

OODAループはもともとはアメリカの軍隊で提唱・実行されてきた考え方です。

そのため、状況の判断であるOBSERVEが起点となっています。

現在のように複雑さが増し、先の予測が難しい「VUCA(Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字)」の時代には、P(計画)を起点とするPDCAよりOODAの方が重要という見方もあります。

4. まとめ

PDCAサイクルとOODAループは、どちらが優れているということではないです。

もともとの考え方もPDCAは品質保証から来ていて、OODAの考え方は軍隊から来ています。

適材適所での使い分けることが重要ということですね。

新しい事業を立ち上げたり、全社での業務プロセスの改革を行ったりという場合は、計画を立ててからプロジェクトを回すという点で、PDCAサイクルを適用することが有効です。

一方で、業務を運営していると様々な問題が発生します。

例えば、製品に品質上の問題が発生して、多くのクレームがお客様から寄せられるような場合です。

クレームが発生した時には、当然計画等は無く、まずは事実関係を客観的に把握し、判断を行い、対応していくことが重要となります。

このような場合には、OODAループの適用が有効になります。

常に変化する情勢を見極めて迅速に対応をしていくためにはOODAループの方が向いていると言えます。

PDCAサイクルもOODAループも重要な考え方なので、日頃の業務の状況に照らして有効活用してください。