「若手コンサルタントの1週間の働き方を徹底解剖!」について書いていきたいと思います。
・たくさん資料作っているイメージがあるけど、どんな風に時間使っているの?
経営コンサルタントへの転職を考えている知人とかから、「経営コンサルタントって忙しくて結構大変そうだけど、自分でもやっていけると思う?」ということをよく質問されます。
以前は結構ブラックで朝から深夜まで仕事していたようなこともあったとよく聞きます。
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夜の2時、3時まで働いて、次の日の朝8時にオフィスに集合みたいない感じだったようです。
しかし、オフィスのフリーアドレス化や働き方も変化してきていることもあり、深夜まで多くの人がオフィスで働いているということは少なくなっています。
正直にはゼロではないです。
ただ、もともとコンサルティングの仕事は成果主義が基本です。
コンサルタント自身もたくさん働くことより、約束の期日までに約束したアウトプットが出せたかどうかを重視しています。
そのため、最近ではオフィスに遅くまでいるよりは、打ち合わせ等はオフィスで行い、役割分担した個々人の作業は自宅をはじめ仕事のしやすいところで行うようになってきていると思います。
今回は「若手コンサルタントの1週間の働き方を徹底解剖!」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.経営コンサルの働き方の基本パターン
経営コンサルタントの仕事で多いのは、3か月程度のプロジェクトをお客様と契約し、3か月の活動をWBSに落とし、日々の作業を進めます。
3か月のプロジェクトも、プロジェクトの責任者への報告を行うステコミ(ステアリングコミッティ)を隔週や月次で行ったり、プロジェクトの中間地点で中間報告会があったり、プロジェクトの最後には最終報告会があったりします。
※コンサルティングの仕事の概要は以下の記事も参照してみて下さい
このような仕事の進め方をしているのですが、なぜか仕事の単位は1週間単位で計画・管理しているケースが多いように思います。
2.若手コンサルタントの1週間の働き方
それでは典型的な1週間の過ごし方を紹介していきます。
月曜日
午前中:1週間の作業の確認
月曜の朝一は大抵、パートナーとかマネジメントの社内会議があります。
大体、会議が終わる10時くらいから社内のプロジェクトのミーティングが始まります。
主に、以下のようなことが検討されます。
- 今週のクライアントとのセッションの予定
- これまで出ているプロジェクトの課題や対応状況
- セッションで検討するテーマ
- セッションまでの活動と役割分担の確認
- その段階で想定される各セッションのゴール
大きな方向感に異論がなければ30分から1時間でミーティングは終了です。
午前中の残りの時間は今週のセッションに向けた準備の作業に着手します。
午後:火曜のセッションに向けた資料の確認
今週のクライアントとのセッションは仮に火曜と木曜に設定します。
そのため、火曜のセッションに向けた資料の準備のミーティングを行います。
クライアントのとのセッションは大抵、週に2回ないし3回設定します。
普通は中1日はあけるように調整します。
午後のミーティングでは、火曜のセッションに向けて以下のような内容を確認します。
- 全体のWBS(Work Breakdown Structure)における、セッションの位置づけ
- 前回のセッションでの持越しの課題の確認
- 今回のセッションで検討するテーマ(仮説等)の確認
- 今回のセッションのゴール(仮説の検証結果)の確認
- 今回のセッションの資料のストーリーボードの確認
この午後のミーティングでプロジェクトの責任者のパートナーやプロジェクトマネージャーからNGが出てしまうと、その日の予定は最悪です。
先の午後のミーティングで出されたコメントへの対応策を検討して、夕方当たりに改めて確認することになります。
結果として、本格的な作業は夕方以降から開始となります。
クライアントとのセッションや報告会の前の日はどうしても資料等の見直しが発生してしまい、予定が立てにくいです。
結局、20時ころにオフィスをでてから、家でセッションに向けた資料の作成に着手します。
オフィスで作業をしても良いですが、一旦ご飯を食べて、気分転換してから家で集中した方が作業効率が良いと思っています。
※コンサルタントの資料の作り方については以下の記事も是非読んでみて下さい
火曜日
午前中:セッションに向けた最後の追い込み
昨日中にパートナーやプロジェクトマネージャーに資料のたたき台を送っておきましたので、朝一には大抵レビューの結果が返ってきます。
大きな内容の変更が無い場合は、個人で作業をして資料を最終化します。
大きな変更がある場合は、プロジェクトマネージャーと対面で打ち合わせして、見直し作業を進めます。
間に合わない場合は、プロジェクトマネージャーにも作業を手伝ってもらいます。
例えば、午後にクライアントとのセッションがある時は、ランチ抜きで作業ということは日常茶飯事です。
午後:クライアントとのセッション
資料の準備だけでくたくたですが、午後は本番のクライアントのセッションです。
昨日用意した資料を基に、一つずつ仮説の検証結果を議論していきます。
うまく行っているプロジェクトであれば、想定の範囲内でミーティングは終わります。
しかし、そもそも仮説の設定がイマイチだったりすると、セッションは炎上します。
コンサルタントにとって「仮説は命です」。
クライアントの打ち合わせが無事終われば社内でセッションの振り替えりを行います。
- 新たに出てきた課題は何か
- 確認された新しい事実(ファクト)は何か
- 新しい気付き(ファインディング)は何か
- 次回に向けた対応事項は何か
といったことを確認します。
その後、駆け出しコンサルは、議事録をまとめて関係者に送って一旦仕事は終了です。
セッションがある日の夜は結構楽しみにしています。
セッションが炎上しなければ早めに帰れますし、午前中までの張りつめたストレスを発散できるからです。
度が過ぎると「バーンアウト症候群」になってしまいますが、ほどほどのメリハリは必要です。
※コンサルティングでの仮説検証の方法については、以下の記事をも是非読んでみて下さい
水曜日
午前中:木曜日向けた準備
昨日のセッションの後なので、朝は早めに起きてプライベートの朝活です。
本当は毎日続けたいのですが、どうしてもクライアントとのセッションのある朝は朝活の時間がとれないので残念です。
朝活は、ビジネス書を読んだり、英語を少し勉強したりと、1週間のメニューを決めて取り組んでいます。
※時間の活用の仕方については是非以下の記事も読んでみて下さい
朝活の後は、午前中の時間を使って、木曜のセッションをどう進めるべきか検討したたき台の案を作成して、午後の社内ミーティングに備えます。
午後:セッションに向けたミーティング
午後は、月曜の午後と同じような感じです。
木曜のクライアントとのセッションに向け、パートナーやプロジェクトマネージャーとのミーティングです。
ただ、前回のセッションが炎上したりしていると、その対応についてのレビューはかなり厳しくなります。
きちんとした論理やファクトの積み上げができているか、検討している資料のストーリーのロジックに問題が無いかなど厳しく確認されます。
ミーティングが終わった後は、ミーティングでもらったアドバイスをもとに、ひたすら資料の作りこみです。
月曜の夜同様に、セッションの前の日は遅くまで作業に時間がとられるので、プライベートの予定は基本は入れません。
木曜日
午前中:セッションに向けた最終チェック
なぜか火曜よりは木曜の方が重い検討テーマが設定されるケースが多いように思います。
週のはじめの社内ミーティングで、火曜のセッションでは準備が厳しいかなというテーマが木曜に持ち越されているようなことも多いですかね。
重要なセッションのテーマについては、パートナーやプロジェクトマネージャーがページの細部までチェックしていきます。
書いていある数字や文章に矛盾が無いか、資料全体のストーリーに矛盾が無いかを見ていきます。
時間が無い場合は、ミーティングで内容を確認しながら、その場で資料を直していきます。
今は、Microsoft社のTeamsでオンラインで複数の人がPowerPointの資料を手分けして直せるようになったので、作業はとても効率的になりました。
午後:クライアントとのセッション
クライアントとのセッションはいつもと同じように粛々と進めます。
セッションで想定した仮説を検証できれば良いですが、仮説の検証までいかないでそもそも論で引っかかったりすると、次のセッションへの影響大です。
セッションが無事終われば、Wrap upでFacts&Findingsの確認をして、いったんチーム作業は終了です。
この後、駆け出しコンサルは、議事録をまとめて関係者に送ります。
火曜日と違うのは、金曜には週次の進捗会議が大抵あります。
進捗会議に向けての準備です。
- 今週の進捗状況の整理
- セッションで出ている課題の整理
- これまでの課題の対応状況の確認
- スコープやスケジュール等重要な変更事項の確認
- 次週以降に向けた重要なアクションの整理
を行い、進捗会議の資料に整理します。
これで作業は一旦終了です。
これからの時間は、朝できなかった朝活の取り返し等自分の時間に使います。
金曜日
午前中:クライアントとの進捗会議
朝一で、パートナーやプロジェクトマネージャーと昨夜のうちに作成して送付していた進捗会議資料のレビュー内容を踏まえて、進捗会議資料の最終確認を行います。
その後、クライアントとの進捗会議に臨みます。
大抵週に2回から3回のセッションを実施するので、ここで大きなどんでん返しがあることは少ないです。
大規模なシステム開発の進捗会議だと、ここが毎週最大の山場となりますが、コンサルティングのプロジェクトの場合は相対的には穏やかなに終わる方かなと思います。
午後:社内ミーティング
午前中の進捗会議の結果を踏まえて、来週に向けた作業の段取りを軽く打ち合わせします。
その結果を踏まえて、来週の作業にしわ寄せが来ないように、できるだけの準備を金曜中に行います。
ただ、次の日にクライアントの打ち合わせはありませんので、場合によっては土曜、日曜に作業を回すこともあります。
土曜日
よほどのことが無い限りは、プライベートの時間です。
持ち越しの作業があったりすると、土曜に家で作業をしたりします。
また、クライアントや社内のミーティングで分からない内容があった場合は、インターネットや本などでキャッチアップするようにしています。
土曜はまだ少し金曜までの作業の残りがありますが、駆け出しコンサルは土曜に平日で追いつけなかった部分をキャッチアップしなければならないので、土曜での1週間の振り返りはとても重要です。
日曜日
プロジェクトで大きな課題や宿題が無い場合は、朝は比較的ゆっくり休みます。
どうしても平日は睡眠不足になりがちなので、少し寝だめをしたいからです。
また、時々モデルの仕事も日曜にはしていますので、仕事ではありますがモデルの仕事は違う緊張感もあり、とても気分転換になり、気持ちをリフレッシュできます。
夕方は、明日の朝に向けて少し資料等を見直してちょっとウォームアップします。
3.まとめ
経営コンサルタントの1週間を若手コンサルタントの視点から紹介しましたが、実感持ってもらえたでしょうか。
プロジェクトにもよりますが、あまり経験無いですがトラブルプロジェクトだと毎日が地獄と聞きます。
それこそ朝から晩まで、月曜から日曜まで等という話は時々聞きます。
ただ、ほとんどの場合は、勤務時間にはピーク性はありますが、メリハリのついた仕事の仕方をしています。
また、思っていたよりはプライベートの時間も取れているかなと思います。
経営コンサルタントを目指したいのであれば、あまり心配せずに経営コンサルティングの仕事にチャレンジしてみて下さい。