【GROWモデル】とは?意味とコーチングやコンサルでの使い方!

こんにちは。
「GROWモデル」について
書いていきたいと思います。
・GROWモデルってなに?
・GROWモデルの使い方は?
を知りたい人は必見です!

フレームワークというと、SWOT分析やPEST分析のような環境分析のためのツールがメインという印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、フレームワークという言葉に含まれるものは多岐にわたります。

GROWモデルは、コーチングに使われるツールです。

ビジネスの現場でも、コーチがついてコーチングすることがあります。

今回はコーチングで使う「GROWモデル」についてご紹介していきたいと思います。

1.コーチングとは何か?

コーチングとは、ティーチングと対比して使われることが多いです。

一方的に先生が教えていくティーチングとは異なり、コーチと呼ばれる人が

  • 問題の解決
  • 目標の達成

などについて、答えを教えるのではなく、相談者とのコミュニケーションを通して、相談者自身に何をすべきかを自ら考えさせ、相談者の行動を変容させるための方法論です。

「答えを教えたほうが早いのでは?」と思われるかもしれませんが、自ら考えて導いた答えの方が自身が腹落ちして、行動変容を効果的に行うことができるという考え方がベースにあります。

日本企業の風土には合わない面があるかもしれないですね。

コンサルティング会社でも似たような取り組みを行っています。

コンサルティング会社では、よくメンタリングというような言い方をしています。

厳密にはコーチングと詳細な点で異なるところはありますが、コミュニケーションを通じて相談者の行動変容を促すという基本的な考え方は同じです。

コーチングとは、もっとも欲しい結果(ゴール)を明確にし、自分一人では絶対に行くことができないであろう速さで、ゴールに向かうことを助けること
トマス・レナード(Thomas J. Leonard)

2.GROWモデルとは?

このコーチングに使われる代表的なコーチングのプロセスモデルがGROWモデルです。

イギリスのジョン・ウィットモア(John Whitmore)さんが考案したものです。

では、このGROWとは何でしょうか?

コーチングのプロセスモデルの4つのステップの頭文字をとったものです。

・Goal(目標)
・Reality(現実)
・Options(選択肢)
・Will(意志)

コーチングにあたり、相談者は何を目標(Goal)とするのか、目標に対して現在の状況(Reality)はどのようにあるのかを明確にします。

この目標と現在の状況とのギャップに対してどのような方法(Options)を用いるのか、その対応を具体的にいつから始めようと思っているのかアクションプラン(Will)を作り出していくステップです。

相談者との対話を通して、相談者自らが実行できるように促すようにするコーチングのプロセスモデルがGROWです。

4つについて詳細にみていきましょう。

Goal(目標)

目標は、当面の達成目標と長期目標を分けて検討する必要があります。

  • 自分自身がコントロールできる範囲の達成目標
  • 自分だけでは成し遂げられない最終的な長期目標

を意識してコーチングします。

また、設定する目標はSMARTでなければなりません。

SMARTとは?
具体的で(Specific)、測定可能で(Measurable)、達成可能で(Achievable)、現実的で(Realistic)、タイムリーな目標設定を意味します。

Reality(現実)

現在の状況という点では、以下の2つの観点があります。

  • 目標に対して現在どの程度の位置づけにいるのか
  • なぜ目標に対して現状のレベルにとどまっているのか

相談者が、きちんと置かれている現状を理解するとともに、その障害となっている原因を理解することが重要です。

また、「R」にはResources(リソース、資源)の意味合いもあります。

相談者がどのようなリソースを必要としているかということも整理していく必要があります。

Options (選択肢)

目標と現実を明確にし、そのギャップを埋めるための選択肢を検討します。

コーチングで重要なこと、特に当面の達成目標の実現に向けて重要なことは、相談者が自ら実行し、ギャップを解消できるという選択肢を自らが考えるということです。

ここがティーチングとの違いです。

決してコーチ自らが、自身の能力や環境を前提に検討した選択肢へ導かないことが重要です。

Will(意志)

目標達成に向けて自ら考えた選択肢に優先順位付けを行い、相談者自らがアクションプランとして計画することが重要です。

自ら考え選択したアクションプランなので、必ず実現に向けた具体的な活動につながります。

また、そのアクションプランの実現において、リソース等どのようなサポートが必要なのかも明確にすることが重要です。

3.GROWモデルの使い方

コーチングという考え方は2000年頃から日本でも使われるようになり、管理者向けの研修等で取り上げられる機会も増えています。

一方で、コーチングが日本企業で市民権を得て、企業の現場で活用されているかというとそういう機会は少ないかと思います。

色々な機会にお邪魔する会社でも、基本は指示された内容を的確にこなすというカルチャーがうかがえるように思います。

日本の企業風土にはティーチングのアプローチの方が馴染みやすいのかもしれません。

ただし、コンサルティング会社ではそのあたりが違うかと思います。

自らが考え、行動をするということが基本だと思っておいたほうが良いと思います。

GROWのコーチングのプロセスを通して、コンサルタント自らが考え結果を出していくという文化が強いと思います。

そのため、コンサルティングファームへの転職を考えていらっしゃる方は、日々の活動に対して、自らゴールを設定し、

  • それに向けたギャップは何か
  • その実現に向けて何をすべきか

ということを考える癖をつけることが重要です。

4.まとめ

今回、目標達成に向けて自ら考えた選択肢に優先順位付けを行い、相談者自らがアクションプランとして計画することが重要だと紹介しました。

この考え方は、コーチングという場面以外でも幅広く活用できるフレームワークです。

例えば、仕事を進めていく上で問題が発生した時などに、チームメンバーが集まって「GROW」のプロセスに従って順に話を整理していくと、メンバーみんなで腹落ちしたアクションプランを効率的に決めることができると思います。

覚えやすい頭字語ですので、頭の隅に置いておいて是非活用してください。