「コンサルファームは応募資料の何を重要視しているか」について書いていきたいと思います。
・職務経歴書で何を訴求すれば書類審査通るの?
・エントリーシートって何を書くとウケるの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!
コンサルティングファームにしろ一般の事業会社にしろ、応募資料を提出しますよね。
例えば、就活の大学生であれば、以下だと思います。
- エントリーシート
- 履歴書
転職を考えている方であれば、以下だと思います。
- 履歴書
- 職務経歴書
- 志望動機書
- 推薦状
志望動機書は書かれない人もいますし、エージェントによって推薦状を書いたり書かなかったりですね。
書類審査と言われるように、コンサルティングファームで採用を担当するコンサルタントはきちんと応募書類を見て判断しています。
あまり丁寧に書かずに履歴書とかを提出される人も少なくありません。
そこで、今回は「コンサルファームは応募資料の何を重要視しているか」についてご紹介していきたいと思います。
※また、今回は大学のことや仕事の内容のことなど、ちょっと読むと嫌な思いをすることも書いてあります。
上辺だけのことだけはなく、事実を伝えてそれに対応してもらいたいという理由からなので、ご理解いただければと思います。
コンテンツ
1.履歴書編
新卒の方もキャリア採用の方も、共通して作成して提出するのが履歴書です。
まず、書類審査をするコンサルタントは、応募者がどんな人なのか、全体像を把握するために履歴書から見ていきます。
履歴書の段階で「?」が浮かんでしまうと、全体の印象はもちろん良くないのは言うまでもありませんね。
そこで、審査するコンサルタントが何をどう見ているのかポイントを紹介していきます。
情報の正確性
住所、生年月日、年齢、入学年月、卒業年月、入社年月、退社年月等が正確かどうかを確認します。
これは、コンサルタントの職業病かもしれませんが、まずは「ファクト(事実)」から確認していきます。
「キャリア採用とかの履歴書でもそんなところまで見ているの?」と思われるかもしれませんね。
新卒採用でも、キャリア採用でも全て細かくチェックします。
例えば、入学年月や卒業年月に矛盾があるようなものは言うまでもなく、アウトです。
注意しているのは、
- 浪人しているのか
- 留年しているのか
- 会社はどの程度のサイクルで転職しているのか
- 既に今は退職して無職なのか
などを見ていきます。
これらのポイントで、「おや?」と思う内容については、履歴書や職務経歴書に補完する情報があるかを確認します。
きちんと説明があればその内容を評価しますし、記載がなければ面接で必ず聞かれます。
例えば、既に退職してしまっているのに、退職している理由などが無いと、場合によっては書類審査で落とされる可能性があります。
無計画に会社を辞めてしまい、無給生活をしているとなると、コンサルタントとして責任ある仕事を任せられるかどうか不安になりますよね。
前職でトラブルを起こしたために転職前に辞めざるを得なかったのかなど、心配なことは頭に浮かびます。
まず、履歴書の内容は正確性を第一に記載し、自分に不利かなと思うことについては、なるべくその理由を正しく伝えるようにしたほうが好感を持たれると思います。
満年齢の計算が違う人とかも結構いるので、出す前に十分チェックしてください。
写真
正直、写真は貼ってあっても貼ってなくても、どちらでも構わないと思います。
コンサルティングファームの書類審査なので、顔で判断しているわけではありません。
しかし、気を付けたいこととして、わざわざ写真の添付欄のある履歴書で提出しているのに、あえて写真を貼っていないというのは気になりますよね。
ご自身がそういう書類をもらったらどうでしょう。
あまり気持ちが良いものではないと思います。
そういう点も考慮して、写真を貼るかどうかは考えてください。
最近多いのは、スマホで自撮りした写真を印刷して貼っているケースです。
写真の添付欄に大きさを合わせるために、スマホで縦に伸ばしたり、横に伸ばしたり、明らかに一目見て変な写真を平気で貼ってくる方も多いそうです。
また、自撮りで取ると、目線が変な方向に向いていることもありますので、あまり印象は良くないですね。
服に関しても、男性でスーツのジャケットを着用せず、ノーネクタイという人もいます。
今は、企業により服装はカジュアルも許されており、様々ですが、履歴書の写真くらいはビジネスシーンにあった服装で取りましょう。
女性もセーター等カジュアルな服装の人もいますが、できればスーツを着て写真を撮るのが無難だと思います。
誰でも、明らかに手を抜いて変に写っている写真を平気で履歴書に貼る人などは敬遠してしまいますよね。
たかが写真、されど写真です。
自身のキャリアがかかった大切な応募書類です。
少しお金がかかるかもしれませんが、写真屋さんで撮影してもらうとか、街角の証明用写真機で撮影するとか、ちょっとした手間をかけても良いと思います。
大学・大学の学歴
よくコンサルティングファームに入るのに、「学歴は重視されますか?」と聞かれます。
答えは「YES」です。
私も地方国立大学出身なので、自慢できるようなものではありませんが、ギリギリの線はクリアしているくらいかなと思って下さい。
これは、人気の事業会社でも同じだと思います。
表向きには、学歴は見ていないと言いますが、学歴は必ず見られています。
- 基礎的な学力があるか
- 継続して物事に取り組み続ける力があるか
- 計画的に物事を進める力があるか
といった点を見られています。
また、最近いろいろな会社の人と会ったときに話題に出るのが、学歴ロンダリングです。
学歴ロンダリングとは、大学の偏差値は高くないのですが、大学院は有名な大学を卒業されているケースです。
大学の受験方式が多様化したため、高校と大学の間でも起こっています。
純粋に大学院に進み、自分が専門とする勉強をして卒業されるのであれば、特に問題にするようなことではありません。
ただ最近増えているのは、大学のレベルが低すぎることから就職活動を有利に進めるために、比較的入学のしやすい有名大学の大学院に進むケースであり、話題となっています。
そのため、コンサルティングファームに関わらず、学歴については最終学歴以外もチェックするようになってきているそうです。
時々、大学、高校を記載していない人もいますが、必ず記載すべきと私は思います。
そして、なぜそのような選択肢をとったかをきちんと説明できるようにしておくことが重要です。
学部
学部も重要です。
文系よりは理系が好まれます。
理系でも、工学系より理学系が好まれます。
文系であれば、経済学部、商学部、法学部が好まれます。
その点で、一番不利なのは文学部でしょうか。
ただ、いきなり書類審査の段階で、文学部が理由で落とされることはないと思います。
ホームページで確認できると思いますが、BCG日本代表の内田さんは東京大学文学部卒業です。(2020年3月現在)
私の知人のコンサルタントでも、文学部出身の人はたくさん活躍しているので、どんどん応募してみて下さい。
資格
資格はあればどんどん書きたいところですが、あまり意味のない資格は書かないほうが得策です。
例えばよく見られるのは、以下の資格などだそうです。
- 実用英語技能検定3級
- 日商簿記検定試験3級
持っている資格について書くことは良いことですが、あまり意味のない資格を書くことはお勧めしません。
では、これが日商簿記検定試験1級や2級なら良いかというと、「努力賞」かもしれませんが、採用の評価にはあまりなりません。
この分野でしたら、公認会計士くらいは持っていれば、採用に大きな影響は与えます。
外国語
これも非常に微妙です。
TOEIC700点台、800点台の人が履歴書に点数書いていますが、あまり評価されていないということをきちんと認識してください。
もっとまずくてよくあるケースは、語学留学していたけど、TOEIC800点台とかです。
ご自身の周りにはあまりいないのかもしれませんが、語学留学している人が800点台というのはマイナスくらいに思ったほうが良いと思います。
「そうか~、半年遊びに行ってたんだね?」と思われるのが関の山です。
語学留学していなくても、コンサルティングファームには900点台の人がたくさんいると思っていたほうがいいです。
2. 職務経歴書編
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- 自分自身が何をしてきたのか
- 何ができるか
- コンサルティングファームに入ってどう貢献できるか
このようなことを表現するのが職務経歴書ですよね。
他の人にはできないけど自分にはできるユニークな価値や、それを裏付けるエビデンスとしてこのようなことができる、と表現すべきですね。
就活をしている学生であれば、エントリーシートが似た位置付けだと思います。
では、職務経歴書でのポイントを紹介していきます。
まずは書式を分かり易く
履歴書と違い、記載する文章も多いことから、どうしても見た目も重要になります。
よく見かけるのは、インデントの設定がきちんとできていなかったり、禁則処理ができていなかったりということがあります。
行の頭が「。」から始まってたりするのは格好良いものではないですよね。
人に読んでもらうために、読みやすく努力しない人というのは、仕事を一緒にしても適当に処理する人だと思われかねません。
先に紹介した写真と同じです。
見た目のにも最大限配慮するようにしましょう。
ここで見た目をきれいにするために得られたスキルは必ず、入社してからも活用することができます。
最近のことに重点を置いて書く
このブログでは、相対的に若手の人を想定して様々なテーマについて紹介していますが、より最近の業務から書き始めることを始めることをお勧めします。
コンサルティングファームは外資系の会社も多いですし、日経のコンサルティングファームでも、外資系のファームから転職されてきた方が多いです。
なので、海外で主流となっているような、最近の業務から順番に書いていくということでも全く違和感ないと思います。
自分の仕事に付加価値をつける
これも冒頭お断りしたように、決して仕事をさげすむために紹介するわけではありません。
具体的に、皆さんがどう対応すべきかのヒントになればと思い、ご紹介します。
例えば、ルート営業の方と大手法人担当営業の方を、コンサルティングファームの人はどう見ているかというと、大手法人担当営業の方を高めに評価します。
やはり、コンサルティングファームでの活動は大手のクライアント企業での活動が多いです。
また、大手のクライアント企業の課題や取引、交渉を知っている人のほうが有利なのは事実です。
ここで重要なことは、たとえオペレーショナルな決まった仕事を担当していたとしても、その業務に対してどういう課題を感じ、どういう提案を行い、業務の見直しを行ったかという、自分自身にしかできない価値をきちんと表現することです。
コンサルティング業務に近い内容で表現する
「自分は入社してから1年間、ずっとデータの分析しかしていないのですが、コンサルティングファームに応募できますかね?」という質問を受けたりします。
しかし、決して言われたままデータの分析をしてました、みたいな内容を記載をしてはだめです。
「自分で立てた仮説をもとにデータ分析を行い、検証を行うことが役割でした」というように、読んだコンサルタントの人がイメージしやすいように記載することも心がけてください。
それができるかできないかで、職務経歴書の見栄えが大きく変わります。
学生としての取り組みはどう書くか
もしかすると審査する担当者により大きく変わるかもしれませんが、基本はこれまで紹介してきたことと同様で事実を正しく読みやすく記載するということです。
言いたくないことを端折ったり、誤魔化すようなことは禁物です。
また一方で、XXX部長をしてましたとか、YYY委員長をしてました、というようなことを一生懸命記載する人もいますが、それほど書面上は重視しておりません。
「比較的いろいろ頑張っているね」とは評価される程度です。
一方、面接では、このような活動を主張している割に専攻した勉強の内容に答えられない、というのは正直マイナスです。
百戦錬磨のコンサルタントです。
皆さんの専攻した学問の内容は、面接時点では皆さんより詳しい人がいるという前提で心構えをしてください。
3. 志望動機書編
キャリア採用の場合だと、志望動機書ということで別の資料として作成していることが多いです。
また、職務経歴書や履歴書の一部に、志望動機ということで書いていらっしゃる人もいます。
いずれにしても、なぜ経営コンサルタントになりたいのか、その理由はきちんと書くようにすべきだと思います。
なかなか志望動機を文章で書くのって難しいですよね。
気持ちは分かりますが、今ご自身で、なぜ経営コンサルタントになりたいのか、ということをきちんと書くことができない人は、面接でも失敗すると思います。
自分の考えをきちんと整理して、なぜ経営コンサルタントになりたいかを読んで分かるようにしましょう。
読む側も、皆さんがコンサルティングの業務をしたことがない前提で読むので、自分の思いを整理して、熱い思いを訴えられることが重要だと思います。
4. 推薦状編
新卒の人は関係ないと思いますが、キャリア採用の人は推薦状の扱いについて、転職エージェントに確認するようにしましょう。
- 作成してもらえるのか、してもらえないのか
- 事前に内容を確認させてもらえるか
などです。
正直、審査する人は評価をする際に、あまり重きを置いていないとよく聞きます。
大抵の場合あまり心がこもっておらず、候補者の熱い思いが伝わってこないものが多いからです。
ただ、無いよりはあったほうが良いと思いますので、ぜひ転職エージェントの人に相談してください。
5. まとめ
今回は、「コンサルティングファームは応募資料の何を見ているか?」について紹介してきました。
履歴書や職務経歴書等、改めて自分のことを書くことって、ちょっと恥ずかしい面もありますよね。
しかし、一生のキャリアがかかった重要な資料です。
ちょっと書きすぎたと思うくらいに、自分自身がやってきたことを正しく伝えられるよう頑張ってみて下さい。
特に、転職活動が初めての人は、転職エージェントの人によく相談するのが良いと思います。
正直、紹介した写真の件も、エージェントがスルーして変な写真のまま履歴書を送ってくるエージェントもありますので、はっきり言ってエージェントを選ぶことも重要です。