「SEからコンサルタントへのキャリアチェンジを成功させる秘訣4選!」について書いていきたいと思います。
・SEからコンサルになるためにすべきこととか何かある?
最近はDX(Digital Transformation)という言葉をよく目にすると思います。
IT等のデジタル技術を活用して新しいビジネスモデルを立ち上げたり、徹底的な効率化をしたりという企業変革を指しています。
SNS戦略プレゼント情報
AIやIoT、5G等の言葉もDXを支える新しい技術としてよく目にすると思います。
DXをテーマにしたコンサルティングも増えていますが、真のDXの実現に向けてはITに関する深い知識が必要です。
しかし、経営コンサルタントの多くの人はITをはじめとする様々なデジタル技術の言葉や簡単な概念は知っているものの、ITについての深い知識やスキルを持つ人はあまりいません。
そこで以前よりもSE等からコンサルタントへの求人も増え、門戸も広がっています。
今回は「SEからコンサルタントへのキャリアチェンジを成功させる秘訣4選!」について紹介してきたいと思います。
※DXについては以下の記事も是非読んで下さい
コンテンツ
1.なぜSEからのキャリアチェンジがうまくいかないかを知る
SEからコンサルタントへのキャリアチェンジは結構難しいと聞いています。
実際に、キャリアチェンジされた方から何がハードルになるかを聞いてみました。
3点、ご紹介したいと思います。
成果主義・実力主義が違う
日本で多くのSEの方が勤務されているのは日系企業が多く、独立系のSIerや金融グループやメーカー等のグループのシステム子会社、各社の情報システム部門に所属されている方が多いのではないかと思います。
まだまだ、年功序列色も強く、社内では決められたこと、指示されたことを正確に対応するということが若手のSEの人には求められていると聞きます。
一方、コンサルタントは、基本的に成果主義・実力主義ですので、例えば入社何年目ということは仕事上考慮されません。
新入社員でも、クライアント先では新人扱いはされません。
新入社員でも高いフィーをもらっているからです。
また、いきなり自分の上司が結構年下の人がなるようなことも良くあります。
思考方法・発想方法が違う
コンサルタントの仕事は、クライアントが何をしたいのか分からない新規事業の中身を具体化したり、漠然とした経営課題を分析し解決策を提案する等の仕事です。
一方、SEの仕事は、クライアントが検討したシステム化対象の業務をどのようにシステムで実現するのかをシステムの設計等を通して具体化していきます。
例えば、真っ白いキャンバスにどこからどのように絵を描いていくのかから考えなければならないのがコンサルタントの思考方法です。
一方で、SEの場合は、予め下書きされたキャンバスにどのような手順で具体的に絵を描いて、クライアントが要望する絵に近づけていくかという思考方法かと思います。
SEからコンサルへのキャリアチェンジ経験者の人の話では、ここの思考方法や発想方法の違いに慣れるのには時間がかかったとのことでした。
仕事の進め方が違う
コンサルティングの活動にも基本的な考え方として方法論があります。
しかし、この方法論の通りにすれば、必ずしもクライアントが望む経営課題の解決策を導くことができるという訳ではありません。
クライアントの状況や課題に応じて方法論の手順やテンプレートの見直しを行います。
また、それを使うコンサルタントのスキルや知識にも大きく左右されます。
しかし、SEの場合は、標準化された設計手法に則って作業をします。
そうでないと、クライアントの要件を設計書に落として、正確に動作するプログラムの開発まで作業の品質を担保することが困難になります。
このような作業のアプローチに関するギャップに慣れるのにも苦労したとのことです。
2.ITコンサルタントという言葉に惑わされない
よくITコンサルタントになりたいから、SEから転職したいという人もいます。
ITコンサルタントという言葉は結構いろいろなところで使われる言葉ですが、コンサルティングファームの中ではあまり使わない言葉のように思います。
よく転職サイトで紹介されているITコンサルタントの仕事は、「IT等活用し、顧客企業の経営課題を解決する方法を考える」等とあります。
これって、経営コンサルタントの仕事そのものです。
ITコンサルタントという言葉に惑わされて、結構気軽にコンサルタントにキャリアチェンジできるのかなと考えている人も多いようですが、きちんとどういった職種・仕事の内容に応募するかを考えてください。
SEからの出身者は、多くの場合、業務系のコンサルティングやSAP等パッケージ系のERPのコンサルタントが候補となる場合が多いです。
詳細についてみていきましょう。
業務系コンサルタント
よくBPR(Business Process Re-engineering)という業務プロセス構造改革のプロジェクトを担当するコンサルタントです。
全社の業務プロセスの課題を分析し、新しい業務プロセスを設計します。
その際に、システムを活用した解決策の検討等でSEで得た知識やスキルを最大限活用します。
EPR系コンサルタント
ERP系のコンサルタントというとクライアントが決めた要件にSAP等のコンフィギュレーションを行う仕事と思われる方も多いようですが、ERPの導入にあたり業務課題を分析し、ERPの導入を前提に業務の見直しや最適化を提案していくような仕事がコンサルティングファームでは中心となります。
大手のコンサルティングファームでは、SAP等ERPの導入自体も手がけていますので、そのような仕事からエントリーすることも一つの案だとは思います。
※コンサルティングの仕事について知りたい方は以下の記事を読んでみて下さい
3.コンサルタントへのキャリアチェンジで有利なこと
SEの方は持たれているスキルを活用することで、コンサルタントへのキャリアチェンジに有利に働くと思います。
3点ご紹介します。
強みの領域を持っている
SEの方は要件定義や設計を担当した情報システムに関わる業務等について細部まで理解していると思います。
例えば、金融や小売り、エネルギー、通信等の業種別に固有の業務に精通しているということはとても強みになると思います。
また、経理や財務はもちろん、営業やコールセンター、生産管理や在庫管理、物流等サプライチェーンに関する領域等業務機能の単位で担当されたシステムや業務の詳細を把握していることも非常に強みとなります。
開発経験を持っている
実際のシステム構築に関連して、要件定義、設計、プログラム開発、テスト、移行、運用・保守等ライフサイクル全般やシステム開発のプロジェクト管理に関与していると、様々な局面でそのスキルや知識を有効活用することができます。
また、構築・導入ですとERPに関する経験やスキルは非常に貴重な戦力になります。
特に、SAPの経験・スキルは非常に重要です。
資格を持っている
コンサルタントになるためには資格はいりません。
しかし、関連する資格を持っていると転職の際に加点にはなると思います。
SEの方ですと、中小企業診断士を取得されている人も多いようなので、中小企業診断士の資格を持っている方は非常に有利だと思います。
また、情報処理技術者関連の資格も有効です。
これから受験される方は、応用情報処理技術者試験、ITストラテジスト試験、プロジェクトマネージャ試験等は有効です。
ソフトウェアベンダーが実施ている製品関連の試験についてはほとんど評価されないと思います。
※経営コンサルにとって有利な資格が何かを詳しく知りたい人は以下の記事も読んでみて下さい
4.コンサルへのキャリアチェンジのメリットを知る
折角のキャリアチェンジの機会です。
そのメリットも3点共有したいと思います。
上流工程からクライアントのビジネスに関与できる
経営コンサルタントは、企業の経営課題等を解くところから始まります。
SEの方には、「自分であればいろいろな解決策が思いつくが、システムを設計する立場でもあり、中々業務を変更することができず、歯がゆい思いをする」ということを感じられている方が多いようです。
その点で、経営コンサルタントが決めたことを実施するという仕事から、一段上流の仕事へ幅を広げることができます。
キャリアパスの幅が広がる
経営コンサルタントになると、ITを中心としたコンサルタントでも、SCMやCRM、HR等他の領域へコンサルタントとしてのスキルの幅を広げることも可能です。
そのため、次のキャリアのステップとしても、選択肢は広がりげます。
給料がアップする
一般的に、経営コンサルタントの給料は高めの給料と言われています。
SEの方ですが、結構転職して給料がアップしたという方の話聞きます。
給料は二の次という人もいますが、給料が上がることはモチベーションにとっても非常に重要です。
※コンサルタントの気になる年収は以下の記事も参考にしてみて下さい
5.まとめ
正直、経営コンサルタントの人で専門的なITの教育を受けている人はあまり多くないようです。
ですので、SEでシステム開発の経験があり、ITに造詣が深い方が経営コンサルタントの仲間になってもらえることは大歓迎です。
ちょっとチャレンジもあるかと思いますが、興味がある方は是非トライしてみて下さい。
コンサルタントの仕事についてもう少し勉強したい方は「コンサル一年目が学ぶこと」の本も参考にして下さい。