「RPAの基本」について書いていきたいと思います。
・マクロやプログラム開発とは何が違うの?
・RPAが得意とする業務は?
・ロボットで人の代わりは務まるの?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!
ここ1~2年、「RPA」という文字を見かけることが増えてきていると思います。
- 「RPAで業務を自動化」
- 「RPAにより生産性を大幅アップ」
などという記事を見かけたことがあるかと思います。
ただ、「そもそもRPAとは何なのか?」といった説明があまりないことから、クライアントにRPAに関する提案に伺っても
- 「RPAってよく聞けど何ができるの?」
- 「ロボットがどうやってパソコン操作するの?」
という質問を受けることは少なくありません。
そこで「RPAの基本」とについてご紹介していきたいと思います。
コンテンツ
1.RPAとは?
RPAとは”Robotic Process Automation”の略で、パソコン上で皆さんが操作したりデータを入力したりしている作業をソフトウェアのロボットが代わりに操作してくれるというものです。
「ロボットが操作する」と言うと「機械のロボットのようなものがパソコンを操作するの?」と真顔で聞かれることもあります。
しかし、そうではなく、パソコンにロボットを開発するためのRPAのツール(ソフトウェア)を導入し、RPAのツールに操作の手順を”教える”ことでソフトウェアのロボットが皆さんの代わりにパソコンの操作を行います。
人と違い、RPAで作成するロボットが操作する手順はきちんとルールが決まっていなければなりません。
ロボットは曖昧な操作を考えながら処理することはできません。
一方で、どのように細かく複雑な条件でも判断の条件やルールなどが決まっていれば、その通りに正確に処理をしてくれます。
人と違い、考えることはできないですが、入力間違いなどのケアレスミスは起こしません。
そこでパソコンの操作に関しては、皆さんの代わりに業務の担い手として働いてくれます。
2.マクロやプログラム開発との違いとは?
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ツールを使ってプログラムを作るのであれば、なぜ今RPAのツールが話題になっているのでしょうか?
それは、圧倒的に開発の生産性が高いということです。
多少でも業務で効果が出るようなロボットを作ろうとすると、ある程度の研修や実践での開発が必要となります。
ただ、ある程度できるようになると、通常のプログラムで開発するよりも高い生産性でロボットを開発することができるようになります。
開発の概要の違いは以下の通りです。
通常のシステム開発について
- 画面の表示や画面でのデータの表示や登録
- データベースへのデータの書き込みや読み取り
など全てプログラムで開発します。
RPAのツール開発について
普段皆さんがパソコンで行う業務(情報システムやEXCELなどで操作すること)をそのままRPAのツール内で実施し、記憶させながらロボットを開発していきます。
そのため、画面やデータベースの設計や開発をする必要がありません。
3.RPAが効果を発揮する業務は?
ロボットも万能というわけではありません。
RPAが得意として、効果が出やすい業務とそうでない業務があります。
ロボットに作業をさせる場合には、やはりロボットが得意とする業務をきちんと把握してから取り組むことが重要です。
反復する定型業務
ロボットは決められたルール・条件の通りにパソコンの操作を「高速に」かつ「失敗なく」行うので、同じ手順を繰り返す業務を得意とします。
繁閑差がある業務
月中は発生しない業務でも月末・月初に集中して発生する月次業務の処理も得意とします。
ロボットは休日など関係なく、24時間365日働き続けることが可能なため、月末・月初に発生する大量の業務も人が休んでいる間にこなすことができます。
全社で共通して行う業務
経費精算や労務管理など全社で共通している業務に関しては、1台ロボットを開発すれば、全社で同一の業務を自動化することが可能になります。
手順を標準化することで、ロボットの変更などメンテナンスの負荷やコストを抑えることが可能になります。
4.ロボットに人の代わりが務まるの?
RPAを導入して効果が出ている企業も上手くいかず効果が出ていない企業もあります。
日本生命、リコー、LIXIL、富士フイルム、オリックスなどRPAを導入し、専門誌等で取り上げられている企業も少なくありません。
そんな中、RPAに全社を挙げて取り組んでいる会社に三井住友フィナンシャルグループ/三井住友銀行があります。
※参考にどうぞ
https://www.smfg.co.jp/investor/financial/disclosure/fy2018_f01_pdf/fy2018_f01_00.pdf
2017年度からの中期経営計画にて
- 生産性の向上
- 効率化の推進
に取り組み、「RPAの活用により3年で300万時間の業務量削減を目指す」ということを外部に発表しており、2018年度には205万時間の削減を実現しています。
RPAで導入が上手くいっていない会社も少なくありませんが、ロボットが人の代わりにきちんと仕事をこなしている会社もあることが分かります。
また、ロボットに効率よく働いてもらうにはロボットの得意・不得意を見極めて、ロボットが働きやすい環境を整えてあげることも重要なことです。
この点においては、人とあまり変わらないかもしれませんね。
5.まとめ
今回は「RPAの基本」についてご紹介しました。
あまりRPAに馴染みのない方は、RPAのツールのデモ等で、ボットがどうやってパソコンを操作するのかを実際に体験されるのが良いかと思います。
まずは「ここまで人に変わってパソコンを操作してくれるんだ」というイメージだけでも実感頂ければと思います。
是非身近に感じていただければ幸いです。