「プロジェクト成功のカギを握るポイント3選」について書いていきたいと思います。
・プロジェクトの成功に必要なことって何?
ということをもう少し詳しく知りたい人は必見です!
コンサルタントの仕事はとても大変こともありますが、やりがいもあることから、コンサルティングファームへの就職や転職を考えている人も多いと思います。
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自分にとっての仕事のやりがいは何かなと考える時があります。
やはり、最もやりがいを感じることは、クライアントのビジネスの成功への貢献です。
しかし、このクライアントのビジネスへの成功に貢献すための必要条件は何でしょうか?
まず、アサインされたプロジェクトを成功裏に終わらせることです。
とは言っても、プロジェクトはうまく行く時もあれば、うまく行かない時もあります。
ただ、うまく行かない時は、重要な何かが欠けている時がほとんどです。
では、この重要な何かとは何でしょうか?
今回は「プロジェクト成功のカギを握るポイント3選」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.コンサルタントにとっての仕事の成功とは?
私は、プロジェクトが成功したかどうかという点で、次の4つが重要と考えています。
- クライアントのビジネスへの貢献
- クライアントの満足度
- コンサルタントとしての成長
- 売上と利益
この4つについてみていきましょう。
クライアントのビジネスへの貢献
クライアントの企業が抱える課題を解決するのがコンサルタントの主たる仕事です。
課題といっても様々です。
- 売上を上げたい
- 利益率を上げたい
- コストを下げたい
- 新しいビジネスモデルを展開したい
- 業務を効率化したい
- 基幹システムを更改したい
など、たくさんあります。
これらの課題を解決して、クライアントのビジネスに貢献することが最も重要なことです。
ただ、ビジネスで結果を出して、クライアントのビジネスに貢献するには、結構時間がかかります。
大きな企業になればなるほど、成功への道のりは長いです。
例えば、典型的な業務プロセス改革の例だと、構想や戦略を策定し、それを詳細な実行計画としてまとめて、その実現に向けた業務プロセスや情報システムの要件を決めたり、設計をしたり、構築した情報システムの稼働を確認したりと様々です。
また、新しい業務の開始後も、“チェンジマネジメント”と言って、お客様や社員の方が、新しい事業や業務に慣れ、定着するようフォローします。
プロジェクトの開始から新しい業務が軌道に乗るまでの期間は、1、2年はざらで、数年かかるようなケースも多いです。
しかし、その成果が数字に表れた時は、コンサルタントとしてこの仕事をしていて良かったと思う瞬間です。
また、クライアントの責任者の方から、感謝の言葉を頂けた時などは、コンサルタント冥利に尽きます。
一方で、最悪なのは構想や戦略を策定しただけで終わってしまうケースです。
昔は、「紙(報告書のこと)書いてなんぼ」みたいなことはありました。
しかし、絵に描いた餅みたいなきれいなことを書いても、企業の課題は解決しません。
最も重要なことは、クライアントの課題を解決する実行力だと思っています。
クライアントの満足度
また、クライアントの方の満足度も非常に重要です。
先輩のコンサルタントの方から、「この仕事が終わったら、今の部長には役員になってもらう」という話を聞かされました。
はじめ、「クライアントの社員でもないのに、この人はいったい何を言っているのかな?」と思いました。
真意は、デリバリーでクライアントの課題を解決し、その部長の手柄として、部長に出世してもらうことが、自分たちの成功でもあるということでした。
いずれにしても、お客様満足度は次の継続したビジネスにつながるための顧客ロイヤルティの基本ですよね。
コンサルタントとしての成長
コンサルタント自身も、デリバリーの過程を通して、コンサルタントとして成長することはとても重要です。
周りのコンサルタントの人には、自身がデリバリーした案件が新聞で取り上げられたことがある人も多く、コンサルタントとしての成長を実感でき、うらやましい限りです。
また、大きな案件や複雑な案件、これまで経験したことがないようなテーマの案件に参加し、最初から最後までプロジェクトに参加できると、コンサルタントとして大きな成長を感じます。
それまで、チームの駒として、全体の一部の仕事をしていた時に比べて、一皮むけたように感じられたこともあります。
このような結果の積み重ねが、コンサルタントの成長につながっていきます。
売上と利益
コンサルティングファームも企業です。
なので、売上と利益は企業としても重要ですし、個々のコンサルタントの評価にとても重要です。
当然、大きな仕事をすれば、大きな売上や利益につながりますし、それ以上に大きなクライアントの課題に取り組むことができます。
よって、売上や利益はいろいろな意味で軽んじることはできません。
ただし、コンサルタントの評価は売上や利益だけでは決まりません。
先にご紹介したものも重要な評価指標になることは間違いありません。
2. 成功のために必要なこと
では、このコンサルティングサービスのプロジェクトを成功させるために必要なことは何でしょうか?
クライアントの課題は千差万別で、毎回毎回異なります。
似たような課題であっても、クライアントの内部や取り巻く環境で変わってきます。
そこで、私がプロジェクトを成功させる上で重要と考えているのは、以下の3つです。
- フレームワーク
- 知的資産
- ヒト
それぞれについて詳しくみていきましょう。
フレームワーク
クライアントの現状の分析や課題の原因の分析・特定、解決策の検討を進めて行きますが、そこでどのようなフレームワークを使うかの選択が重要です。
このフレームワークの選択が正しければ、適切な仮説に短期間に到達することができますし、選択を間違ってしまうと悲惨です。
間違ったフレームワークを使ってしまうと、コンサルタントのチームでそれなりに時間を使って議論をして、現状を分析しても、クライアントのメンバーは「うーん、合っていそうだけど、こういう視点で欠けていると思うんだけど」とか言われてしまう時があります。
せっかく時間をかけて分析した内容も無駄になりますし、場合によっては違うフレームワークでの分析が必要になることもあります。
こうなると目も当てられません。
適切なフレームワークを使って、バシッと答えを出すことは極めて重要です。
知的資産
通常、コンサルティングファームでは、知的資産といって、過去に携わったプロジェクトで作成したファイルを再利用できるように蓄積しています。
大抵の場合は、「サニタイズ(英語のSanitize)」といって、お客様固有の秘密情報を削除します。
コンサルティングファームの中でも、関与していないクライアントのプロジェクトの情報の共有は基本NGです。
それこそ、過去に実施したプロジェクトの内容を誰でも見れてしまうというのものおかしいですよね。
そこで、サニタイズしたPowerPointやExcelのファイルを蓄積して、それを再利用します。
「Sanitize」は、ネットで調べると「消毒する」とか「無害化する」とかいう意味が多いですが、「不適切な[好ましくない]部分を削除する」が近いです。
先人の知恵の活用なしには、コンサルタントの仕事は成り立たないといっても過言ではありません。
ヒト
結局は、ヒトつまりコンサルタントが重要です。
やはり、
- できの悪いコンサルタントよりは、優秀なコンサルタント
- 性格が悪いコンサルタントよりは、チームワークが良いコンサルタント
- 意味不明なことを言うコンサルタントよりは、ロジカルなコンサルタント
- 口下手なコンサルタントよりは、プレゼンがうまいコンサルタント
など、ヒトが働いてアウトプットをするコンサルティングは、やはり「ヒト」が命です。
どのような専門的なスキルを持つコンサルタントにどのフェーズからどう参画してもらうか、これによりコンサルティングのアウトプットは大きく変わります。
つまり、ヒトのアサインが、プロジェクトの成否に大きく影響を与えることは言うまでもありません。
3.どんなフレームワークを使うのか
既に書いたようにフレームワークの選定は、プロジェクトの成否を左右する重要なものです。
また、誤ったフレームワークの選定は、コンサルタントとしての信用に大きな影響を与えます。
そこで、フレームワークを選ぶ時の基準みたいなものを少し紹介したいと思います。
4つのケースで見てみましょう。
A)非常に難しい課題であるが、その課題に関する経験のあるコンサルタントがチームにいない
こんな状況は最悪ですよね。
つまり、この先どうなるか分からないという状況です。
しかし、それでもチャレンジするのがコンサルタントです。
その際は、イシューダイアグラムをきちんと作ります。
クライアントの企業やクライアント企業の業界に関する情報を最大限収集して、インプットすることは大前提です。
また、同様に、クライアントの課題に類似した過去の事例を探し、徹底的に研究します。
その上で、仮説としてイシューダイアグラムを体系的に作成します。
その結果、どのような方法論やフレームワークを使うのかを判断します。
※イシューダイアグラムの作り方は以下の記事を参考にして下さい
B)非常に難しい課題であるが、その課題についてのあるコンサルタントがチームにいる
この場合は、すでにどのようなフレームワークもしくは方法論を使えば良いかが分かっているので、まずはその方法論が適切かどうか検証します。
当然過去に類似の事例がありますので、その内容を研究します。
C)課題は単純であるが、その課題について経験のあるコンサルタントがチームにいない
それなりに経験のあるコンサルタントであれば、例え経験のない課題だとしても、それほど難易度が高くない課題であれば、ある程度直感的に課題の分析やその原因の特定及びその解決策などの仮説は頭の中に浮かんでいるものです。
なので、チームで情報を収集して、議論しながら体系だったイシューダイアグラムを作成するというよりは、経験のあるコンサルタントがリードして、簡易的に仮説を整理します。
その上で、どのようなフレームワークを使いアプローチすべきか検討すれば乗り越えられます。
D)課題は単純であるが、その課題について経験があるコンサルタントがチームにいる
言うまでもありませんね。
「Just Do It!」ですね。
答えの出し方が分かっているので、後は行動するのみですね。
プロジェクトが始まっているのに、なかなか具体的な議論が進まなかったり、いつまでも進め方の話が続くようなら要注意です。
4.まとめ
コンサルティングの仕事はプロジェクトにより、クライアントから提示される解かなければならない課題は毎回異なります。
また、類似の課題であっても、置かれているクライアントの事業環境は異なります。
そのためコンサルティングの仕事は、クライアントから提示される課題や置かれている環境等を考慮して、毎回どのようにすれば課題を解決できるのか、プロジェクトの進め方を考えるところから始まります。
プロジェクトの進め方を考える上で重要な要素が、今回ご紹介した「フレームワーク」「知的資産」「ヒト」の三つの要素です。
非常にシンプルなものですが、この活用の仕方がプロジェクトの成否を大きく左右することは言うまでもありません。
是非、参考にしてみてください!
今回触れました顧客満足度と顧客ロイヤルティの関係については、コンサルタントとしても学ぶことが多いので以下の本を是非読んでみてください。