今回は「5W2H」についてお伝えします。
・初めて企画書を書くけど、どんなポイントを抑えておけば良いの?
「5W2Hは、仕事の基本」なんてことを新入社員の人はよく言われるのではないでしょうか。
これは事業会社でもコンサルティング会社でも変わりありません。
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仕事をする上で伝えたいことを相手に正確に伝えるために必要な要素が「5W2H」です。
会話だけでなく議事録やメールなど文章を書く際にも常に意識しておくことが重要です。
何か簡単な活動の報告をするにも、今後の計画を考えるにも、「5W1H」の要素は欠かすことができません。
では、なぜ「5W1H」ではなく「5W2H」なのでしょうか。
一つ多い「H」は「How Much」の「H」です。
ビジネスを考える上で、お金の話を抜きには語れませんよね。
今回は「5W2H」について紹介してきたいと思います。
コンテンツ
1.5W2Hは仕事の基本
会社に入って研修を受けたりすると仕事の基本として教えられるのが、「5W1H」です。
特に配属されてはじめのうちは、上司等へ何か報告する度に、「5W1Hの「W」が足りていない!」とか言われた経験ある人は多いのではないでしょうか。
英語でもそのままに「Five Ws and How」と言ったりします。
仕事の基本と言う意味では日本も欧米も変わりないようです。
この「5W1H」は、イギリスの児童文学者のラドヤード・キップリングの『ジャングル・ブック』(1895年)の中で出てくる詩に由来しています。
「5W1H」の基本は、
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
ですね。
しかし、他にも派生形が存在します。
「5W2H」とか、「5W3H」とか、「6W3H」とかです。
- 5W2H:5W1H+How Much(いくら(お金))
- 5W3H:5W2H+How Many(いくつ(数量))
- 6W3H:5W3H+Whom(誰へ)
しかし、こうなっていくとキリがないので、ビジネスを考える上では、「5W2H」が良いのではないかと思います。
2.5W2Hで新規事業を考える
では、コンサルティングの現場ではどんな風に「5W2H」を使っているのでしょうか。
例として、クライアントと一緒に新規事業を考える際についてみていきましょう。
When(いつ)
新規事業の計画を考えるのに、時間軸を抜きに考えることはできないですよね。
いつから事業を開始するのか、そのためにはいつから準備しなければなならないか等です。
Where(どこで)
どこでビジネスを行うかです。
「4P」でいうところのPlaceです。
チャネルと読み替えても良いと思います。
Who(誰が)/Whom(誰へ)
一番重要なのはお客様ですね。
自分の会社のお客様は誰なのかを定義することからビジネスは始まります。
サービスや事業の主体は誰なのかをはじめ、Whoの視点でビジネスにかかわるステークホルダーを定義することは重要です。
ビジネスパートナーも忘れることはできません。
ここは、Five Forces分析の視点も活用することができます。
※Five Forces分析については以下の記事を参考にしてみて下さい
What(何を)
事業として、どんな商品やサービスを提供するのかを考えます。
お客様の次に、事業として重要な要素ですよね。
商品やサービスの特徴や他社との差別化要因は何かを明確にすることは重要です。
Why(なぜ)
なぜ、この事業を始めようとするのか。
この事業を起業するための目的や理由や狙い等を考えます。
それが最終的には経営の理念として、事業を検討する上での考え方の軸になっていきます。
How(どのように)
これはビジネスモデルの根幹です。
どのようにサービスや商品を価値としてお客様に提供できるかの仕組みについて考えます。
どんなに良いサービスや商品もお客様に届かなければ意味がありません。
どのように仕入れるのか、どのように販売するのか、どのように提供するか、それのビジネスを支える仕組みやシステムはどのようなものが必要かを考えます。
How Much(いくら)
How Muchにはいくつかの側面があります。
- 投資額:事業を開始するのにいくら必要になるか?
- 販売価格・課金体系:商品やサービスをいくらで販売するのか?
- 仕入価格:原材料や商品、サービスを仕入れるのにいくらかかるのか?
どんなに良い商品やサービスでも利益が出なければ、ビジネスとしては成立しませんね。
3.その他にも色々使える5W2H
新規事業の他にも、コンサルティングの現場で「5W2H」は色々なシーンで活用することができます。
- 現状を正確に把握する
- 検討の漏れ抜けを無くす
- コミュニケーションの誤解を無くす
3つについて詳しくみていきましょう。
現状を正確に把握する
プロジェクトを担当すると、時々トラブルが発生します。
トラブルを報告する側も報告される側も誤解が無いように事実を共有したいところです。
しかし、報告する側は時に自分に都合が悪いことを端折る傾向にあります。
そこで、少なくとも報告にあたり「5W2H」をきっちり抑えることが重要になります。
何かトラブルが起こったときは「クロノロジー(chronology)」がとても重要になります。
トラブルが発生してからの出来事を「5W2H」を抑えて、時系列に記録します。
誤解なく、事実を把握することが問題解決の第一歩になります。
検討の漏れ抜けを無くす
先ほどの紹介した新規事業にも似ていますが、新しい商品やマーケティングの企画等を考える際にも企画書を作成します。
そういう際にも、企画の内容として漏れが無いように、企画書の骨子を5W2Hで固めてから内容を具体化していきます。
思い付きでバラバラと書いては漏れ抜けが発生しがちです。
重要な構成要素を漏れなく端的にカバーできるようにします。
コミュニケーションの誤解を無くす
経営コンサルタントとしてプロジェクトを実行していると、色々な立場や役割の人と様々な情報を共有します。
その際に重要なことは、正確なコミュニケーションです。
多くの人数が関わるプロジェクトです。正確に情報を伝達し、コミュニケーションをとることが基本です。
例えば、プロジェクトでは様々な課題が毎日発生します。
色々な立場や役割の人達とも協業して、課題を調整・解決していきます。
その際に使うのが課題管理表です。
「5W2H」をきちんと押さえて、課題の発生や課題の解決の進捗を管理するのも経営コンサルタントの重要な仕事の一つです。
4.まとめ
「5W2H」って上司に報告する時に使うものでしょって思われていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、コンサルティングの現場では、「5W2H」は単なる報告に使用するだけではありません。
新しい事業等を考える際に、思考の幅を広げるためのフレームワークであるとともに、検討の要素を漏らさないためのフレームワークでもあります。
「5W2H」には、ビジネスを考え、マネージするために必須の要素が含まれています。
自分でものを考えたり、報告書を作成する時や、会議で多くの人と議論したりする際に、是非「5W2H」を活用して下さい。