「正しいファームの選び方」というテーマで書いていきたいと思います。
・どういうところがコンサルティングファームの特色なの?
経営コンサルタントを志望している人で、どこのコンサルティングファームに行けば良いのか迷われている人も少なくないと思います。
有名な会社だと、「マッキンゼー・アンド・カンパニー」や「ボストンコンサルティンググループ」などがありますよね。
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ただ、なんとなく敷居が高いですよね。
他に、BIG 4といって4大会計事務所のコンサルティングファームの名前もよく耳にすると思います。
日系で有名な会社は比較的リサーチ系の会社が多いように思いますが、日本独自の市場を開発した企業や特定分野のブティックコンサルなんかも多いですね。
このようにたくさんあるコンサルティングファームからどのファームを選ぶかで、今後のキャリアにも大きく影響すると思います。
今回は、「正しいファームの選び方」をテーマについて紹介していきたいと思います。
コンテンツ
1.キャリアプランについて考えよう
就職や転職を考えるうえで、自分が何を本当にやりたいのかを考えることは重要です。
私は、たまたま経営コンサルタントという仕事につくことができましたが、転職も経験して、やはり自分のキャリアを考えることは重要だなとつくづく思いました。
大学生で就活していた時は、色々な業種の企業に応募していましたが、今から考えると意味もなく色々な企業を受けすぎていたと反省することがあります。
その点で、現在就活や転職で経営コンサルタントを目指している人は、自分は5年から10年後どんな経営コンサルタントになりたいか、自分のキャリアを考えることをお勧めします。
ここで、細かいことですが、さっき「経営コンサルタントを目指している人」と書きましたが、有名なコンサルティングファームに入るのが目的ではなく、経営コンサルタントになることが目的ということを今一度考えるようにしてみて下さい。
日本の企業だと、職種別等での採用はあまりされていない企業が多く、憧れの企業に入っても想定もしていなかった仕事をすることは十分に起こり得ます。
少し前に「就社」と「就職」という言い方がありましたが、まさに「就社」ではなく、どんな職業に就きたいのか、つまりプロフェッショナルとしてどんな経営コンサルタントになりたいのかを考えることは重要です。
それが、今後コンサルティングファームを選んでいくときの軸になっていくと思います。
2.まずは業界のことを知ろう
ネットを検索しても、経営コンサルタントやコンサルティングファームへの転職に関する記事はたくさん出てきますよね。
コンサルティング業界を説明した書籍もたくさん出ていると思います。
まずは、色々なキーワードやコンサルティングファームの名前が出てくるので、どんな会社があるのか業界を俯瞰してみましょう。
MECEが大切とか言いながらも、ちょっとキーワードの寄せ集め感が満載ですが、色々な書籍やネット等の業界地図を総合すると以下のような分類になるかなと思います。
戦略系
冒頭で紹介した「マッキンゼー・アンド・カンパニー」や「ボストンコンサルティンググループ」がその代表です。
その他に「A.T. カーニー」や「ベイン・アンド・カンパニー」等が有名ですよね。
大手企業の経営戦略策定等を主として手掛けていることから、このように呼ばれています。
総合系
経営戦略、事業戦略の策定から、業務プロセス改革や情報システムの構築等幅広いコンサルティングサービスのメニューを持つことから総合系と言われています。
BIG 4である
- デロイト トーマツ コンサルティング
- PwCコンサルティング
- KPMGコンサルティング
- EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング
がよく名前が挙がると思います。
このBIG 4を会計事務所系と呼んだりもしています。
コンサルティング業界の外の人には、IT系の仕事が多いような印象が強く持たれているかもしれませんが、「アクセンチュア」や「アビームコンサルティング」、「アイ・ビー・エム」も含みます。
会計事務所系に対して、IT系と分類されていることもあります。
確かに、先のBIG 4よりはより大規模で本格的なシステム開発・導入を行っていることもあり、そのような印象が強いかもしれません。
また、ITのアウトソーシング等も手掛けています。
ただ、現在ではITがなくてはクライアント企業の経営は立ち行きません。
そこで、戦略系も含めてITに力を入れており、段々と位置づけは変わっていくかもしれませんね。
人事系
なんでいきなり、人事系?と思われるかもしれませんね。
ただ、人事領域に特化した大手のコンサルティングファームがあるのも事実です。
例えば、「マーサージャパン」や「ウィリス・タワーズワトソン」とかが有名な人事系コンサルティングファームになります。
働き方や人事制度、報酬制度などの改革を支援しています。
シンクタンク系
日系の金融グループの会社が多いかと思います。
もともとはリサーチを中心とした企業でしたが、グループ内のシステム開発の会社などを統合し、総合的なサービスを提供している企業が多いです。
「三菱UFJリサーチ&コンサルティング」「野村総合研究所」「三菱総合研究所」「日本総合研究所」等が代表的なプレーヤーです。
中堅・中小企業系
「船井総研ホールディングス」「日本能率協会コンサルティング」「タナベ経営」など、主として中堅・中小の企業に対して、様々なアドバイザリーコンサルティングを中心にサービスを提供しているプレーヤーのグループです。
そのため、戦略系や総合系とはコンサルティングサービスの提供の仕方は少し違うようです。
3.エージェントにも相談しよう
大まかなコンサルティング業界の地図を紹介しましたが、紹介したような各領域での有名な企業の他にも、まだまだたくさんのコンサルティングファームが存在します。
また、個々のコンサルティングファームについてもそれぞれ特徴があり、その細かい点まではなかなか調べることも難しいですね。
そこで、活用するのが転職エージェントになります。
転職エージェントに登録して、CA(キャリアアドバイザー)に相談してみるのが良いと思います。
※転職エージェントの活用については以下の記事を参考にしてみて下さい
では、転職エージェントに聞くべき質問を2つ紹介します。
自分のキャリアにあっているコンサルティングファームはどこか?
まずは、自身のキャリアとして、どんなコンサルタントになりたいかということをきちんとキャリアアドバイザーに伝えられるようにしましょう。
コンサルティング業界に詳しいキャリアアドバイザーであれば、何社か具体的に求人の出ているコンサルティングファームを紹介してくれると思います。
どんな特色のあるコンサルティングファームなのか?
戦略系や総合系のコンサルティングファームであれば、所属するコンサルタントも多いですし、業界内を渡り歩き、戦略系や総合系のコンサルティングファームを卒業したコンサルタントも多くいます。
そのため、書籍やネット等で紹介されている情報に大きな差が無いようには思います。
一方で、あまり名前を耳にしない中堅、中小のコンサルティングファームについては、キャリアアドバイザーを活用して、いったいどんな会社なのか、社風はどいう社風なのか、どんなクライアントが多く、どういう案件を得意としているか等の情報を集めましょう。
「自分のキャリアにあっているコンサルティングファームはどこか?」に対して、名前を聞いたことがないコンサルティングファームを紹介されてもきちんと確認してみることが重要です。
比較的小規模なコンサルティングファームでも、ある程度歴史もあって、古くからの大手企業のコンサルティングを手がけているようなコンサルティングファームもあります。
貪欲にいろいろな情報を転職エージェントから収集するよう努力しましょう。
4.何をポイントに選ぶか
では、具体的にどういうポイントを重視して、コンサルティングファームを選んでいけばよいでしょうか。
必ずしも思いが叶うというものではありませんが、きちんと調べて、自分の今後のキャリアになるべくマッチしたコンサルティングファームを選んで応募するのが良いと思います。
まずは、どんなコンサルティングファームか相手をきちんと理解して応募しましょう。
では、ポイントを6つ紹介します。
給与や福利厚生等の制度
給与は気になりますよね。
このあたりは、転職エージェントが様々なデータを持っているので、率直に聞いて調べましょう。
一方で、コンサルティングファームは大抵必要最低限の福利厚生の制度とかしかありません。
ホームページや求人データ等で公開されている情報が基本全てと思っておいたほうが良いと思います。
面接でも、なんでも質問してよいと言われたからと言って、福利厚生等について細かいことを質問するのはあまり印象良くないと思います。
そんなに福利厚生が大事なら、コンサルティングファームでなくて、大企業受験すればと思われてしまいます。
コンサルティングファームの組織・体制
新卒で入社される場合や、比較的若いうちにコンサルティングファームに転職される場合、会社によって所属する組織の位置づけが異なります。
大きく分けて2つのタイプがあります。
1つ目のタイプは、特定の組織に所属するというタイプです。
コンサルティングファームは多くの場合、
- クライアント企業の業種(インダストリー)毎に分かれている業種別組織
- 提供するコンサルティングサービスの内容ごとに分かれているサービス別組織
に分かれています。
そのため、新卒や若手のコンサルタントも、このいずれかの組織に所属するというケースです。
この場合、自動車や通信、エネルギー等の業種別の専門家となるか、もしくは、事業戦略や業務プロセス改革のようなコンサルティングサービスの専門家になるか分かれます。
会社によっては、組織間での行き来は多少自由な場合もありますが、アサインされるプロジェクトの内容はどうしても所属する組織の色が濃くなるのは事実です。
一方で、2つ目のタイプは、特定の組織には所属せず、若手コンサルタントという単位で管理されるケースです。
リソースプール型等と言っていることが多いです。
このタイプだと、若手のコンサルタントは、自分のキャリアプランやプロジェクトのアサイン状況により、様々な案件に参加することになります。
あまり色々な案件にアサインされることを好まない人もいますが、若いうちはいろいろな案件に参加して、多様なスキルを身に着けたいという人が少なくありません。
このあたりも、自分がどのようなコンサルタントに将来なりたいかにより、大きく変わると思います。
教育制度の充実度
教育制度の充実度については、転職エージェントも内情を知らないケースが多いかもしれません
これまでの知人や先輩等の話を総合すると、ちょっと乱暴かもしれませんが、外資系の大手コンサルティングファームの方が、教育制度が充実していると思います。
あるコンサルティングファームでは、パートナークラスでも年間5日~10日程度の研修が課せられているとのことでした。
以前は、海外の研修センターで、2週間缶詰での研修なんかもざらにあったようですが、最近は経費削減ということもあり、eラーニングが増えているようです。
方法論の整備
こちらも比較的方法論が整備されているという点では、大手の外資系の方が数歩先を言っていると思います。
メソドロジーとも言いますが、コンサルティングを進めるうえでの進め方やデータを集めたり、分析するためのフレームワークやテンプレートが定義されているものです。
当然、それをそのまま方法論を使えば誰でも答えが出せるというものではありませんが、その基礎となる手順です。
このような方法論が整備され、教育されていると、その後の成長も期待できると思います。
ナレッジの蓄積と活用
ナレッジとは知的資産のことを指し、過去にクライアントと検討した報告書や報告書にいたるまでのワークショップの資料だとか、先ほどの方法論等も含まれますが、この知的資産がきちんと体系だって管理され、再利用できるようになっているのかどうかということも重要です。
複雑な問題等解く際は、当然ゼロベースで知恵を出し合うよりは、先人の知恵を借りて、スタートポイントを先に進めておくことが、クライアントにとっても価値ある回答を出すことができますよね。
これからコンサルティングファームに入られようとする人にとっては馴染みのない項目かもしれませんが、自分自身の成長にも重要なポイントと思います。
コンサルティングファームとしての成長性
大手の外資系のコンサルティングファームは、いろいろな点で仕組みが整備されているかと思います。
一方で、人数も多く、若いうちは単なるコマでしかなく、活躍できる領域はある程度枠にはまってしまうと思います。
一方で、現在の業界の流れを背景に、どんどん規模を大きく成長させようとしているコンサルティングファームもあります。
そういうコンサルティングファームでは、より多くの貴重な案件に参加することができるとともに、ファームの成長とともに、自分自身も成長できる機会が得られると思います。
5.まとめ
経営コンサルティングの仕事の内容は時代の移り変わりととともに変わってきています。
クライアントは、戦略を実行し結果を出すことを強く経営コンサルタントに求めています。
また、今の時代はITを抜きに企業を運営することは困難ですので、多くのコンサルティングファームでもITの領域を強化しようとしています。
そのため、以前よりも戦略系とか総合系とかIT系とかの住み分けが段々とはっきりしなくなってきているように思います。
しかし、それぞれのコンサルティングファームでは得意としているコンサルティング領域や強みとしている業種があります。
また、コンサルティングファームは同じような姿をしているわけではなく、その中の制度や仕組み、カルチャーにはそれぞれ特徴があります。
コンサルティングファームを応募するにあたっては、まず、このあたりの違いをきちんと把握して、自分のキャリアにあったコンサルティングファームを選ぶことをお勧めします。
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